血栓溶解作用など、「納豆」の機能性にスポット

0-157への抗菌効果が注目されるなど、ここにきて「納豆」の機能性にスポットが当たっている。「納豆」のネバネバに含まれる有効成分は血栓溶解酵素「ナットウキナーゼ」(倉敷芸術科学大学の須見洋行博士が命名)と呼ばれ、12年ほど前よりNHKなどでも取り上げられ、「納豆」の売上げにも貢献してきた。

「ナットウキナーゼ」は血液の性状を改善し、血圧を正常化する、いわゆる“血管のエントツ掃除”の役割を果たすが、臨床現場では血栓症患者に用いられる点滴剤「ウロキナーゼ」と同等、もしくはそれ以上の効果があるとみられている。

市販されている納豆1g(3〜4粒)はウロキナーゼの約1600国際単位(IU)に相当するが、納豆1パック(約100g)は血栓症患者の1回の点滴に用いられているウロキナーゼと同等の作用が得られるばかりか、経口投与のため注射による点滴に比べて、作用も長時間にわたるといわれる。

夜の納豆食は「眼底出血」など、血栓症改善に優れた作用

こうした「納豆」のすぐれた血栓症溶解作用が、血管障害によって生じるさまざまな疾病に有効な働きをすることもわかっている。網膜中心静脈閉塞症(血栓症の一種)で眼底出血が見られた58歳の男性に毎夕食時に日100gの納豆を摂らせたところ、10日目に視力が回復、眼底出血も次第に改善され、2ケ月後には全く異常が見られなくなったという。

ちなみに血液は夜中から朝方にかけて固りやすいため、夕食時に納豆を食べると効果的といわれる。

「納豆」の効用については、昭和42年に金沢大薬学部の亀田教授らが制がん効果に優れていることを発表して以来、有用性が次々と明らかになっている。主なものでも、「ナットウキナーゼ」による脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞などの血栓症の改善、ビタミンK2による骨粗しょう症の予防、納豆菌ジピコリン酸による0-157など食中毒予防などが挙げられる。


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