酵母由来の品質改良素材「モイステックス」で、食感改善〜ifia JAPAN2018セミナー

2018年5月16日(水)〜18日(金)、東京ビッグサイトにてifia JAPAN2018「第23回国際食品素材/添加物展・会議と第16回ヘルスフードエキスポ」が同時開催された。同展示会セミナーより富士食品工業の「品質改良食品素材「モイステックス」の開発と応用」を取り上げる。


食品を損なわずに食感を改良

富士食品工業鰍ナは、酵母エキスやビーフエキス、チキンエキスやオイスターエキスなどの製造を得意とし、加工食品の風味だけでなく品質改良素材も扱っている。

酵母由来の「モイステックス」も品質改良素材の1つである。

モイステックスとは一辺が5μ程度の極小の酵母で、食品添加物とは異なるメカニズムで主に加工食品の品質改良効果がある。

モイステックスは保水力と保油力に優れたパウダータイプの不溶性粒子で、食品を損なわずに食感を改良する点に優れているという。

ジューシー感が維持

モイステックスの主な効果は加工食品の「食感改善」「煮崩れ抑制」「ジューシー感の付与」といった食感改善作用だが、他にも不快味の低減や不快臭低減(=マスキング効果)などもあるという。

モイステックスの食感改善効果を調べるために、肉の切片にモイステックスを添加し顕微鏡で確認した。

その結果、肉の繊維と繊維の間にある筋繊維間隙と呼ばれるごく小さい隙間の部分に、モイステックスが水分を抱え込むようにして入り込んでいることが確認された。

モイステックスは粒子が非常に小さいため、肉の内部、特に通常では入り込めない繊維と繊維の間に入り込める。

そのためモイステックスを添加した肉を加熱した後も、筋繊維間隙の幅の縮小が抑制され、これによってジューシー感が維持される。

分散性に優れ、ゲル化することもない

さらに肉の弾力や肉らしさが自然なまま高められ、モイステックスが添加された肉を咀嚼すると、咀嚼の圧力で水が放たれさらにジューシー感が増す。

この効果はいろいろな食感改善素材でも、現在のところモイステックスにしか見られない特異的な特徴であるという。

モイステックスには他にもメリットが多い。そもそも食品添加物とは違い、酵母粒子であるため元々の食品の素材を変えることがほとんどなく、当然PHを変えることもない。

さらによく使用されるセルロース(食物繊維)と比べても粒子がさらに小さいため、口にした時の食感のざらつきや不快感が起こることはほとんどない。また、たんぱく質と違い分散性に優れ、ゲル化することもないという。

酸化や酸化臭を抑制

モイステックスはこれまでの品質改良剤とは全く異なる特徴を持ち、食品の細胞の内部に入り込むが、構造を変えたり損なったりすることなく、品質をより自然なかたちで向上させる。

すでにモイステックスはさまざまな加工食品に利用されており、中でもおすすめなのがレトルト食品に含まれる加工肉の食感改善。

肉にモイステックスを添加しておくことで、時間が経っても肉らしい食感や風味を維持して高めることが確認されており、商品の差別化にも役立つという。

また食感改善だけでなく、香りに対する効果もあるという。オメガ3系を中心に「体に良い油」に注目が集まっているが、その代表である青魚の油は、やはり酸化臭が難点である。

しかしモイステックスを添加すれば酸化と酸化臭のそれぞれを抑制し、風味を高めるという。もちろんごま油やオリーブオイルとの相性も良く、それぞれ風味を向上させる。さらに「呈味エンハンス(高める・強める・強化する)効果」もあり、例えば餡子や砂糖の甘みを強めたりもするという。


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