“ 健康・機能性食品に代替医療の役割を期待 ” 

  (社)韓国前立腺管理協会
会長 金 英均 氏

米国でブームを巻き起こしているオルタナティブ・メディスン(代替医療)が国民医療費の高騰に憂慮する先進諸国で注目され、伝統・伝承医療の見直しが起きている。これまでの伝統・伝承医療と西洋医療の長所を融合させた医療、統合医療へと向う機運が次第に高まりつつあるが、(社)韓国前立腺管理協会の金英均会長に韓国の代替医療の現状などをうかがった。
---韓国の代替医療の現状についてお聞かせください。

漢方医が代替医療を推進しようという意欲が強い

金:最近私の国でも俄かに、代替医療ということが言われるようになりましたが、これまでに伝わってきた伝統・伝承的な医療を含めたもので、特に何か目新しいものというわけではありません。

代替医療というとインドのアーユルヴェーダとか、気功とかアロマテラピーとか光線療法とかいろいろなものがありますが、 私の国では漢方をやっている人達の代替医療を推進しようという意欲が非常に強いように思われます。

彼らは漢方こそ代替医療の中枢であると考えています。体質を改善して、根本的に病気を治すためには、一つや二つの薬剤だけではだめで、漢方のような代替医療が必要であるという信念を持っています。また最近では健康食品とか民間療法を科学化したものも代替療法として注目されています。

ただ、こうした代替医療は現代医療のできないことを、時にはカバーすることもありますが、一部で非科学的な部分もあり、全てに十分な検証がなされているというわけではありません。また、しっかりと体系化されているというわけでもなく、一般的でありません。

しかし、がん患者ですとか血圧とか慢性の生活習慣病を患っている人達は非常にこれに興味を持っています。薬剤を飲んでも、症状は一時的に治まりますが、病気自体が治るわけではなく、薬剤を中断したらまた症状が戻ってしまうのではという思いがあるからです。病気を治すためには、体質を変える必要があります。そういうことで代替医療が役に立つという認識を持っています。

韓国でも代替医療に若い医学生達が興味を持っていて、運動が広がりつつあります。最近では大手企業の現代グループが自分達の医科大学で、ハーバード大学の先生を招聘して西洋医学と心身療法との接点といったテーマで2日間のセミナーを開催するなど、公での認知がなされつつあります。

---韓国の医療制度などの状況についてお聞かせください。

金: 現在、医科大学が43校あります。また漢方医学校というのが、文部省の管轄下に20校近くあります。韓国では医療の二元化はだめだということで、漢方医学を西洋医学サイドへ組み込もうとしています。医療を一元化して、その下に漢方医学が存在しなければいけないというわけです。ですが、漢方医の方ではそれはだめだと主張しています。

今、韓国では若い人達の中で漢方に興味と関心を持ち、成績優秀な人達が漢医学校を目指している例もあります。漢方医の開業医というのは財政的に非常に有利だということも一因になっています。

---最近、代替医療としての健康食品の役割が注目されるようになったということですが。

健康食品の広範な発展はこれから

金:ここ数年だと思います。素材としては、キノコ類、キチン・キトサン、アガリクス、霊芝などがポピュラーです。米国からの情報によるものが多いです。また日本でブームになったものが、5年か10年遅れて入ってくるという傾向があります。市場規模も日本と比べるとまだ小さいです。

これから、漢方は漢方でまだ発展の余地がありますが、私の観点から申しますと、代替医療ということでは今後、健康食品というものが伸びる余地があるのではないかと思います。理論的な背景があるものとか、科学的に証明されたエビデンス(根拠)があるものが、広く求められていくのではないかと思います。

---ふだんの食品での健康管理については。

金:韓国では野菜を多く摂ります。特にキムチのような発酵した野菜が多いです。それから大豆製品で味噌汁や豆腐もよく食べます。ただ塩分を摂り過ぎかなと思います。日本の方々より私達のほうが塩分の摂り方がずっと多いのではないかと思います。また肉類も多く摂りますが、最近は魚を多く食べるようになりました。長生きをするとか生活習慣病の発生頻度を抑えるためにも魚のほうがいいようです。


◆プロフィール
金 英均

<略歴>
ソウル大医科大学卒業。同大学教授(泌尿器科学)を経て、ソウル大病院の副院長に。その後、同大学の学長に就任。現在、同大学名誉教授。(社)韓国前立腺管理協会会長。米・ジョンズホプキンス大、ノースウェスタン大、ワシントン大、スペイン・バルセロナ大にて研修。学会活動においては、大韓泌尿器科学会会長、韓日泌尿器科学会議会長、日本泌尿器科学会名誉会員(現)、米国泌尿器科学会会員(現)、国際泌尿器科学韓国支部会長、米国外科学術院韓国支部会長を務める。1991年に第1回湖巖賞(医学部門)受賞。著書に「泌尿器科学」、「膀胱癌」、「前立腺肥大症」、「Informed Consennt」等多数。

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