「食」関連トピックス
炒り玄米、栄養豊富な究極の非常食
〜第5回「食の和のつどい」

2012年7月7日(土)、駒込地域文化創造館で「第五回 食の和のつどい」が開催された。今回は参加者も実際に調理に参加し、試食を楽しみながら、伊藤先生の講話「食が命を育む」に熱心に耳を傾けた。私たちはどのような気持ちで「食物=命」を扱うべきか、調理するべきか、いただくべきか、学ぶべきことの多いセミナーとなった。


炒り玄米、玄米粥や玄米雑炊にも簡単にアレンジ

広島県の原爆ドームのすぐ近くで生まれたという伊藤氏は、今回の「食の和のつどい」では東日本大震災をきっかけにぜひお勧めしたいという「炒り玄米」のレシピと調理を解説した。

そもそも玄米は栄養価も抜群でこれだけ食べていても十分に生きていけるというスーパー食材である。玄米を炒って保存しておくと、炊飯器を使わずに「蒸す」という方法でも美味しく柔らかな玄米をいただくことができるし、水さえあれば玄米粥や玄米雑炊にも簡単にアレンジができるという。もし電気やガスといったライフラインが断たれても、炒り玄米はそのままポリポリとおいしくいただくこともできるため、究極の非常食ともいえる。

炒り玄米は長期保存が可能

作り方は極めて簡単。フライパンのサイズにもよるが、だいたい一合ぐらいの玄米をザルで洗って水をしっかりきる。熱したフライパン(油はひかない)に洗った玄米を入れ、全体に香ばしい色がつくまで回し炒めるだけである(8〜10分程度)。今回は普通に洗って炒ったもののほかに、塩水(1%程度)を使って洗った玄米を炒ったものとの味比べも行った。塩味のものはまるでせんべいのような、おかきのような味わいがある。

炒り玄米は長期保存が可能だが、洗わずに布巾でふいただけの玄米で炒り玄米をつくれば、さらに日持ちすると伊藤氏。顔のわかる生産者から安心できる玄米を購入し、できれば洗わずに表面の汚れを軽くふきとっただけの玄米を炒り玄米にして、いつも常備しておくと良いと勧めた。この炒り玄米は、日常で白米を炊く際に少量加えても栄養価がぐっとアップする。また、多目の水を加えて鍋にかければ簡単におかゆや雑炊にもなるという。

玄米をよく噛むことのメリット

玄米と塩があれば生命維持に必要な栄養素は基本的にそろう。玄米は白米に比べて硬さがあるが、これにより、自然に「よく噛む」こととなり、健康にも非常に良い。玄米をよく噛むことのメリットとしては、唾液がよく出る=酵素を活性するという点。唾液腺ホルモンのパロチンにより、細胞の若返りが促され、消化酵素により胃腸の働きが活性される。唾液には抗菌、殺菌、抗がん作用などの酵素も多く含まれるという。

また脳下垂体前葉ホルモン、後葉ホルモンの分泌により全身の細胞が活性化される。また玄米食を続けることで味覚がかわり、特にでんぷん質が咀嚼により糖分に化学変化することで、甘味を感じやすくなり味覚が研ぎすまされるという。

「食」を人間の欲望にあわせるのではなく、自然の営みのほうに私たちが寄り添うことで、食材が命であることや生命の喜びを感じられると伊藤氏。その喜びとつながることは、現在さまざまな問題を抱える「日本の食」を立て直すことになるという。

人間本来の食性に合わせ、自然に調和した「食」を育てることにより、「健康」という生命の真理につなげたい、そのためにも食の立て直しは毎日の暮らしのなかで積み重ねられるべきあり、まず食で自分を変えてみることを考えてほしいと伊藤氏は述べた。

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