COQ10やαリポ酸など機能性素材のシクロデキストリンによる生体利用の改善効果
〜「ifia JAPAN 2013」セミナー

2013年5月15日〜17日、東京ビッグサイトにて「第18回国際食品素材/添加物展・会議(ifia Japan2013)と第11回ヘルスフードエキスポ(HFE JAPAN2013)」が開催された。 企業セミナーより、株式会社シクロケム/株式会社コサナの「COQ10やαリポ酸などの機能性素材のシクロデキストリンによる生体利用の改善効果」を紹介する。

COQ10やαリポ酸などの機能性素材のシクロデキストリンによる生体利用の改善効果
株式会社シクロケム/株式会社コサナ

COQ10、アンチエイジングに不可欠な三大作用

超高齢化社会で、アンチエイジングに役立つ機能性成分として注目され、急激な勢いで市場が拡大しているのが「コエンザイムQ10(以下COQ10)」「αリポ酸」「トコトリエノール」の3素材。 

COQ10は私たちの体内で合成される補酵素の一種で、細胞と血中に存在しているが、加齢とともに合成量が低下する。体内のCOQ10量は20歳をピークに40歳代から急速に減少していく。

COQ10にはアンチエイジングに欠かせない重要な三大作用が備わっている。一つ目が体内のエネルギー産生、二つ目が強力な抗酸化作用の発揮、三つ目が体を形成するタンパク質でもあるコラーゲンの産生補助である。

COQ10、体内で水に溶けにくく体外へ排出

年齢を重ねるにつれ、食品などからCOQ10を十分に摂取することを意識し、体内で一定レベルのCOQ10を維持し続けることが、老化予防や疾病予防あるいは肥満予防の鍵となることは明らかである。

しかし、COQ10を食品素材から摂取する際には弱点があるという。まず吸収性の問題。光や熱、酸素に対する安定性が弱く、さらに脂肪酸やペプチド類と合わさった場合、配合変化を起こしやすい。また、COQ10は脂溶性のため、体内で水に溶けにくくそのまま体外へ排出されがちで、期待通りの効果が得られにくいという。

αリポ酸、強力な抗酸化や抗糖化作用

αリポ酸は、日本では2004年頃から流通するようになっている。欧米では90年代から人気で、主にサプリメントの形態で現在も幅広く利用されている。αリポ酸の人気の最大の理由は、その強力な抗酸化作用にある。体内で随時発生している活性酸素は、強力な酸化力で細胞膜やDNAを破壊し、さまざまな疾病や老化の最たる原因を作り出す。

αリポ酸にはCOQ10同様、活性酸素を撃退する強力な抗酸化力が備わっているため、アンチエイジング・美容市場で大ブームとなっている。さらに近年はαリポ酸に「抗糖化作用」があることも明らかになっている。

糖化とは糖とタンパク質が結合して起こる不可逆的反応で、これがAGEsという物質を作り出し、糖尿病や合併症の原因、あるいはコラーゲン繊維を断ち切る原因になる。αリポ酸が糖代謝をスムーズにし、抗糖化反応を示すため、「糖化」に注目しているアンチエイジング・美容市場でαリポ酸に関心が集まっている。

αリポ酸も体内で合成されるが、加齢に伴い合成能力が低下するため、不足分を食事から補うしかない。

αリポ酸を多く含む食品にはレバー、ホウレンソウ、ニンジン、トマト、ブロッコリーなどがあるが、いずれもそれぞれの含有量が微量であるため、サプリメントでの摂取が推奨されている。

トコトリエノール、皮膚に優先的に分布

トコトリエノールはビタミンEの一種で、スーパービタミンEとも呼ばれ、同じビタミンEのトコフェノールと比べ、その抗酸化作用は40〜60倍。

トコトリエノールは皮膚に優先的に分布、蓄積するため皮膚の防御(シミ・そばかすの予防)やアンチエイジングに非常に効果的であるだけでなく、最新の研究では脳神経を保護する機能があることもわかっている。そのため、認知症患者が急激に増える高齢社会では欠かすことのできない注目のビタミンになっている。ただ、トコトリエノールも安定性や吸収性が低いという弱点があるという。

「包接化」という技術

この三大アンチエイジング素材の弱点、つまり不安定さや吸収性の低さを解消するのが「包接化」という技術である。外側は親水性、内側は親油性という特殊な形態のカップのような素材の内側に分子を取り込み固定化させる技術で、カップといっても非常に微小な分子サイズで内径は0.9ナノメートル程度である。

これらの包接に使用するカップ素材はオリゴ糖から抽出されるγシクロデキストリン(γCD)という物質が最適であることがわかっている。馴染みのない物質名だが、練りわさびや消臭剤スプレーなど幅広く使用されている。

包接化で安定性・吸収性・持続性が向上

シクロデキストリン分子はその環の大きさの違いからα、β、γの3種類に分類される。先の3つのアンチエイジング成分の包接に使用されるのは一番大きいγ、最も小さいサイズのαは、二酸化炭素のような気体や揮発性低分子も包接ができる。

この「包接」をすることで、それぞれの成分の安定性、吸収性、持続性が飛躍的に高まり、弱点を克服することが十分可能になった。COQ10においては包接によりその抗酸化力が包接後4倍ほど高くなるという。

また、αリポ酸も包接により生体内で十分な必要量の吸収が可能になった。トコトリエノールも包接により吸収性と安定性が高まり、抗酸化作用もより強力になることも明らかとなったという。

実際に、マウス実験で包接されたトコトリエノールの経口投与で生存率が増加したというデータも取れている。この技術でそれぞれの素材をサプリメントや食品利用だけでなく、化粧品などにも幅広く応用できるようになり、食品だけでなく発毛剤や美肌コスメなどへの応用が期待できるとした。


Copyright(C)JAFRA. All rights reserved.