自然免疫力を高める素材「LPS」
〜「統合医療展2015」セミナー

2015年1月28日〜29日の両日、東京ビッグサイトで、「統合医療展2015」が開催された。同展示会セミナーより、自然免疫応用技研鰍フ「自然免疫力を高める素材LPS」を取り上げる。


「正常な免疫の維持」に役立つ

LPSとは糖脂質リポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)のことで、正常な免疫を維持する機能を有する機能性成分。

LPSは環境中に普遍的に存在する物質で、明日葉、ワカメ、メカブなどに多く含まれる。また漢方薬にも共通して含まれ、中でも葛根、甘草、人参などに多く含まれる。LPSが漢方の薬効に関与しているのではないかという研究もなされているという。

LPSはマクロファージの活性に関与し、「正常な免疫の維持」に役立つことが明らかになっているという。

マクロファージとは人体の持つ自然免疫系の中心的な細胞で、全身に分布。いらなくなった細胞や、ウイルス、細菌などを処理する働きをする。

マクロファージを活性

具体的には老化した赤血球の処理、死んだ白血球の処理、アミロイドの除去、また肝臓の再生や抹消神経の修復などにも関与している。

そのため、病気というのはマクロファージ機能の低下という見方もできる。マクロファージは、私たちの健康状態に関与する免疫機能といえる。

LPSの「正常な免疫を維持する機能を有する」メカニズムについてもほぼ解明されているという。

マクロファージの表面には約10種の受容体(レセプター)があるが、腸管からM細胞を通じて取り込まれたLPSは、マクロファージのレセプターの1つにキャッチされて結合し、マクロファージを活性する。

さらにマクロファージの活性により、免疫シグナル全体が活性し、全体の免疫力がアップする。

LPSの効果効能に関するエビデンスは非常に豊富で、ヒト試験では特にアトピー、花粉症といったアレルギー疾患、また糖尿病やメタボリックシンドロームといった生活習慣病で有効な機能を発揮することがわかっているという。

また、動物試験においてはガン、潰瘍、花粉症、糖尿病、高脂血症などで優位性を示しているという。

紫外線や熱で傷ついた皮膚を修復

また注目すべきがスキンケア効果。皮膚にはランゲルハンス細胞と呼ばれる細胞が存在する。これは表皮でマクロファージの役割を果たすマクロファージ類縁細胞である。

真皮の免疫担当として皮膚の健康を支えているが、LPSを表皮に加えると、ランゲルハンス細胞が活性され、ダメージを受けた細胞がより効果的に取り除かれたり、繊維芽細胞の増殖を促して、ターンオーバーを促進させたり、紫外線や熱で傷ついた部分を修復する分かっているという。

他の機能性成分とも相性が良い

さらにヒアルロン酸合成量は、プラセンタの3倍もあることがわかっている。実際に、LPS配合クリームをアトピー性皮膚炎疾患部に塗布したところ、キメが大幅に改善することが確認された他、LPS配合クリームを重度の火傷に塗布したところ、1ヶ月で大幅な改善がみられたという。

LPSは他の機能性成分とも相性がよく、ダイエット効果で知られる「サラシア茶」と組み合わせたところ、脂質代謝がサラシア茶単独での使用よりも優位になったという。

また、骨粗鬆症予防のために使用した豆乳パウダーと組み合わせたところ、豆乳パウダー単独での使用よりも骨粗鬆症予防作用が顕著になったという。


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