中国での新しい食品原材料・添加物の新規登録について〜ifiaJAPAN2016セミナー

2016年5月18日〜20日(金)、東京ビッグサイトで、ifia JAPAN2016「第21回国際食品素材/添加物展・会議&第14回ヘルスフードエキスポ」が開催された。同展示会セミナーより、中国杭州華測瑞欧科技有限会社の「中国での新しい食品原材料・添加物の新規登録について」を取り上げる。


「新規」かどうかの調査に時間と労力がかかる

日本から中国に新しい食品を輸出しようと考えたとき、中国市場において新規の材料や添加物の場合、中国で登録され販売許可されるまでのステップが複雑かつ難しく、断念する日本企業も多い。

中国で新しい食品原材料や食品添加物を新規登録するには「中国食品添加物使用基準(GB2760)」というリストへの掲載をクリアする必要があるからだ。

新規の食品原材料も添加物も、まずそれが「新規」であるかどうかをまずは調査する必要があり、これに時間と労力がかかるが、その受付や管理窓口となっているのが、中国の食品管理部門である「衛計委(NHFPC)」と呼ばれる政府機関である。

食品添加物の管理を国が行うようになったのは1994年以降

そもそも中国では食品添加物の管理を国が行うようになったのが1994年以降で歴史が浅い。その時に作られた基準で、いわゆる「ポジティブリスト」として君臨しているのが「中国食品添加物使用基準(GB2760)」。

これは2014年にバージョンアップされ、現在は「GB2760-2014」と呼ばれ、「中華人民共和国食品安全法」の管理下におかれている。

新規原料も新規添加物もまずはこのリストに入っているかどうかのチェックから始まる。

入っていない場合は、原材料を細かく分析し、新規であるかどうかを確認する。新規の場合は成分分析や毒性試験を行い手順に沿って登録という流れになる。

「安全評価報告書」が最も重要視

新規の食品原料を輸出する場合、まずは衛計委に届けを行う。2007年以降この衛計委による許可が必須となり、提出する資料の数も増え審査はどんどん厳しくなっているという。

必要な資料として「安全評価報告書」が最も重要視され、他に「毒理学試験報告書」も厳しくチェックされる。毒理学試験は日本で行っても中国で行っても良いことになっているが、将来的には中国の試験をパスしたものに限られそうな雰囲気があるという。

また「成分分析報告書」なども提出物として求められる。これらを申請書類として衛計委に申請したあと、受理→審査→公告と4つのステップを経て、新規素材として許可されるに至る。

試験をパスした後、公告まで約1年、試験から公告までを考えると2年〜2年半かかるのが一般的である。

公告までに2年ほどかかる

新規の添加物の登録についてもほぼ同じ4つの手順(申請→受理→審査→公告)を踏む。

衛生部が公表しているポジティブリスト(GB2760)に入っていない添加物や、ポジティブリストに入っていても使用量が限度を超えているものなどが審査の対象となる。

この審査においてGB2760-2014との照合に最も時間がかかるのは、2014年以降食品添加物の新基準が次々と発表されているため。公告まではやはり2年くらいかかるのが妥当だという。

いずれにせよこうしたやり取りを直接「衛計委」と行うことは極めて困難なことから、一般的には実績のあるコンサル会社などを通じて行われる。今回プレゼンテーションを行ったREACH24 CONSULTING GROUP CHINAでは、食飲や化学品、化粧品の輸出入を得意とし、特に政府と緊密な関係を持っている、とした。

日本の優れた新規食品や添加物をマーケットの大きい中国で広める場合、経験や実績があるだけでなく政府と親密な関係を築いているコンサル会社をパートナーに選ぶと良いとアドバイスした。


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