ミネラルと人体の働きとの関係〜ウエルネスフードジャパン「第5回スポーツフードEXPO」

2016年8月2日〜4日、東京ビックサイトで、ウエルネスフードジャパン「第5回スポーツフードEXPO」が開催された。同展示会セミナーより、鰍ハちまーすの「ミネラルと人体の各臓器の働きとの関係」を取り上げる。


塩は本当に私たちの体に悪いものか?

沖縄旅行の土産としても人気の高い塩「ぬちまーす」を、「常温瞬間空中結晶製塩法」という特殊製法で作り出すことに成功した高安氏。「塩は本当に私たちの体に悪いものですか?」と問いかける。

地球上の生命の源は海にあり、私たちは海のおかげで誕生したと言っても過言ではない。その海の成分である「塩」が体に悪いとなぜいわれるようになったのか。

塩といってもいくつもの種類がある。「体に悪い」とされているのはいわゆる「塩化ナトリウム食塩」であり、「生命を健康にする塩」は決して体に悪いものなどではなく、むしろ健康を維持するために不可欠であることを知って欲しいと高安氏はいう。

妊娠中の子宮の中はほぼ海中のような成分構成

多くの生物は海水に産卵する。これは卵が海水のミネラルなくして生きることができないからである。一方、鳥など海水ではなく陸で卵を産む生物はその卵のなかに海水と同じようなミネラルがあることで受精卵が育まれる。

人間も同様で、妊娠中の子宮の中はほぼ海中のような成分構成になっている。そのなかで10ヶ月という時間をかけて赤ちゃんを育む。体の中や卵の中に「海」を作れる動物は海水以外の場所で出産する。そうでない動物は海水に産卵する。

しかしいずれも海水がなければ卵や胎児は育たず、それはミネラルの有無ともいいかえられる。つまり体のなかに海と同等のミネラルを持っていなければ、どんな生命も生きることができない。そして生まれてくる命が健康かどうかは、卵や子宮の中のミネラルの状態に左右されると高安氏。

現代人はミネラル不足が深刻

例えば、日本人の赤ちゃんは、現在戦後の赤ちゃんよりも小さく生まれてくる。運動神経や学力も昔に比べ良くはなっていない。現在のほうが飽食の時代なのになぜか。

これも現在の女性の体が海と同じミネラル構成を持っていないことに関係しているのではないか、と高安氏は推測する。

いずれにせよ、たくさん酸素を吸収することができて良質なミネラルを安定的に吸収している動物は大きく優秀であることがあらゆる生命を観察していればわかる。そして今、現代人にとってミネラル不足が深刻であることをもっと考えるべきだという。

沖縄の長寿、ミネラル摂取量と関係

そもそもミネラルは6大栄養素の1つである。ミネラルは海を構成する元素であり、私たちの生命を維持するのに不可欠である。沖縄の人々がかつて日本一長寿であったのはなぜか。これもおそらくミネラル摂取量に関係しているのではないか、と高安氏。

沖縄には頻繁に台風がやってくるが、この台風のおかげで沖縄の土壌は世界一ミネラル分が豊富である。そのため食材を地産地消している限り、ミネラルが不足することはなく豊かで健康的な食事ができて沖縄の人々は長寿であった。

しかし昨今、沖縄にもさまざまな食材が入ってきて、地産地消の割合が減っている。スーパーには県外産野菜のほうが多く並ぶし、加工食品も多すぎる。

生命を維持するために体の状態を海と同じようにしておくこと、生命を育むために特に女性は海水のような体内を維持すべき、という自然の大原則が忘れ去られている。

これが沖縄が長寿県から転落した最大の理由だと高安氏は解説。ちなみに、世界を調べても台風が多い土地はやはり長寿の地域が多い。

一方、台風が来なくても長寿の地域というのはあるが、たいてい高山が近くにあり、山のミネラルが豊富な水のある場所である。

ミネラルは女性の生理と密接に関わる

日本では妊娠出産で命を落とす女性は少なくなったが、世界にはまだ出産が命がけという地域もある。

母体が死に至るケースの多くは、羊水と胎児にミネラルを持っていかれ、失ったミネラルを母体が補えないことで起こるさまざまな疾病であることが多いという。

いま、多くの女性が生理痛や不妊に悩んでいるが、自分の体のミネラルの状態について考えるべきだと高安氏。ミネラルが不足していなければ排卵後子宮内膜は十分に厚くなり、7oくらいにまでなる。しかし妊娠が成立しなければそれは不要なものとして排泄される。これが生理である。

しかしミネラルが不足していると子宮内膜は2〜3oにしかならない。するとその内膜は成長が不十分であり、まだ成長するために血液も通っている状態で無理矢理剥がれ落ちようとするため痛みが生じる。これが生理痛の一番の原因だという。

アフリカでは妊娠中に土をたべて胎児の成長を促したり、生理痛を緩和させるといった地域もある。それほどミネラルは女性の生理と密接に関わっている。ミネラルが豊富な野菜を飼料としている牛は子牛をたくさん生む。

女性の長生きとミネラルの関係

また、どの国でも男性のほうが女性より平均寿命が短い。このことを完璧に説明できる科学的データはどこにもないが、事実として女性のほうが長生きである。

高安氏は、これについてもミネラルが関係していると考えているという。女性は赤ちゃんを育むため毎月生理があり、男性よりもミネラルの吸収率が高くなっている。つまりどれくらいミネラルが吸収できる体かどうかが最終的な寿命を決めているのではないかという。

従来の製造法で作られるいわゆる食塩はミネラルがほとんど捨てられている。「ぬちまーす」は73%が塩化ナトリウムで残りはすべてミネラルという構成になっており、まさに海をそのまま食べる、といっても過言ではない。

日頃からミネラルの摂取に留意する

食塩摂取量が多いと高血圧やむくみの原因になることが知られているが、それはナトリウムの過剰摂取が問題であって、海水と同じミネラルの含まれた塩にはカリウムが豊富に含まれており、むしろ1日15g程度摂取することで血圧の低下作用や利尿作用などが見られる。何より味が全く違い、美味しさが違うという。

疲れやすい、冷え、アトピー、いらいら、肩凝り、風邪を引きやすいといった症状もミネラルが不足すると起こりやすくなる。「ぬちまーす」はそのまま食塩として使用しても素材の旨味を引き出し料理に華を添えるが、普通に水に溶かして飲んでも決してしょっぱくはならず、むしろ飲みやすい水に変わるという。

入浴剤として浴槽に入れるのも良い。なんとなく不調を感じている人にはぜひミネラルの摂取量や普段どんな塩を摂っているか、見直してほしいと高安氏。特に妊娠を考えている女性は自分の体を「母なる海」と同じような状態に維持するため、ミネラル摂取、体によい塩の摂取を意識して欲しいと話した。


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