植物エキスのスポーツサプリメントへの応用
〜Ifia JAPAN HFE JAPAN 2017


2017年5月24日(水)〜5月26日(金)、東京国際展示場で、ifia JAPAN 2017 第22回 国際食品素材/添加物展・会議 HFE JAPAN 2017 第15回 ヘルスフードエキスポが開催された。同展示会セミナーより、潟Tビンサジャパンコーポレーションの「植物エキスのスポーツサプリメントへの応用」を取り上げる。


ビートルート、血圧や心血管疾患のリスク軽減

同社では、インドの伝統的なハーブ素材を中心に健康食品原料や化粧品原料などを開発し原料提供を行っている。最新の注目原料として新たな3成分を紹介した。

いずれもスポーツニュートリションとして活用できるもので、アスリートサプリメント市場が活況の現在にぴったりのアイテムであるという。

まず1つめが、ビートルートの抽出物「サビート」。ビートルートは見かけは赤カブのようだが、ほうれん草と同じアカザ科の植物である。

最近、レッドビートという呼び名でスーパーなどでも販売され、特にボルシチに使われることでよく知られるようになっている。

ビートルートには硝酸塩が多く含まれている。硝酸塩は植物が土壌から窒素を吸収する時の形で、植物のアミノ酸やタンパク質はこの硝酸塩を基に合成される。

ちなみに、ほうれん草やレタスも硝酸塩が豊富だが、硝酸塩は血圧を下げたり、心血管疾患のリスクを軽減することが報告されている。

運動後の心拍出量が有意に低下

硝酸塩は人の体内に取り込まれるとNO(一酸化窒素)に変わる。NOは血管を拡張させ、血管や血液関連の疾病リスクを低下する。

このビートルートから抽出される硝酸塩を2%で規格化したものが「サビート」であるという。

すでにビートルートにも血液や血管に対する有効な働きがあることは多数報告されており、筋肉痛や運動による筋疲労、炎症にどのような効果があるのかを臨床によって調査したという。

試験内容はランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験で、18〜55歳の健康な男性20名を2グループに分け、1日5gのサビートまたはプラセボを運動前に摂取し、運動後の心拍出力を調べた。

その結果、サビート摂取群は運動後の心拍出量が有意に低下することが確認できたという。

つまり、運動による疲労そのものが減少し、炎症が緩和されたり、筋肉のダメージが減少することが示唆されたという。ビートルートと同様の赤紫の粉末はタブレットやドリンクに使用しても見た目にも良い仕上がりになるのでオススメであるという。

ダイジェザイム、5種類の酵素活性

次に「ダイジェザイム」。ダイジェザイムとは小麦ふすまの発酵エキスを酵素活性を持った形で規格化、ホワイトの粉末でカプセルでも打錠でも使用できる。

3大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂質の分解酵素活性を含む他、以下の5種類の酵素活性を持っているのが大きな特徴である。

5つの酵素活性とは「炭水化物を分解する働きのアミラーゼ活性」「タンパク質を分解するプロテアーゼ活性」「脂質を分解する働きのリパーゼ活性」「野菜や果物の細胞壁の主成分であるセルロースを分解する働きのセルラーゼ活性」「牛乳に含まれる乳糖ラクトースを分解する働きのラクターゼ活性」。

私たちの体は「食べた物からでている」というのはよく知られているが、実際は「食べた物のうち吸収したもの」から作られている。

この「吸収」に関する力には個人差があり、体内に毒素があったり内臓機能が弱っていると吸収がうまくいかない。

体づくりのスタートは「何を食べるか」よりも「どう消化吸収させるか」が大切で、ダイジェザイムはこの「消化」に着目した酵素サプリメント素材といえる。

アスリートや高齢者は特に消化能力が問われる。ダイジェザイムは、食べているのに体作りがうまくいかない、量が食べられないけれど体を作りたいというニーズにもマッチしている。

クルクミン、膝の痛みを軽減

3つ目が「クルクミンC3コンプレックス」。ウコンの根や茎に含まれるクルクミンは抗酸化作用、肝臓サポート作用、抗炎症作用などが報告されている。

ウコンの根茎にはデメトキシクルクミンなどの類縁体が含まれ、これらはクルクミンとまとめてクルクミノイドと呼ばれる。

このクルクミノイドを95%で規格化した高純度素材が「クルクミンC3コンプレックス」である。今回は「クルクミンC3コンプレックス」が関節炎にどのように働きかけるか臨床試験が行われているという。

試験内容はランダム化二重盲検比較試験でプラセボ群26名と試験群27名に対し、プラセボ薬とクルクミンC3コンプレックスを500mg×3回(日)を6週間継続摂取してもらい、痛みのスコア変化を比較した。

その結果、クルクミンC3コンプレックスを摂取した群では痛みの自己評価が軽減したという。

運動習慣は健康維持に不可欠だが、せっかく運動をはじめても膝の痛みで継続の断念を余儀なくされる人は多い。運動サポート素材としてもクルクミンC3コンプレックスは使用できるのではないか、とまとめた。


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