大麦乳酸発酵液ギャバ、睡眠の質改善で活気・活力をサポート〜Ifia JAPAN HFE JAPAN 2017

2017年5月24日(水)〜5月26日(金)、東京国際展示場で、ifia JAPAN 2017 第22回 国際食品素材/添加物展・会議 HFE JAPAN 2017 第15回 ヘルスフードエキスポが開催された。同展示会セミナーより、三和酒類鰍フ「大麦乳酸発酵液ギャバ、睡眠の質改善で活気・活力をサポート」を取り上げる。


もろみにも豊富な栄養が含有

同社の麦焼酎「いいちこ」の製造過程から出来る副産物の「もろみ」は、焼酎を取り出した「残り物」であり、破棄される部分であった。

しかし、このもろみにも豊富な栄養が含まれていることがわかり、同社では平成13年よりもろみを利用した食品事業をスタートさせたという。

ちなみに、もろみに認められる健康機能には「尿酸値低下」「肝機能保護」「乳酸菌増殖促進」などがあるという。

なぜ、もろみにそうした機能性が認められるのか。

「いいちこ」の原料は大麦だが、この大麦は厳選されたもので、さらに焼酎を製造する過程で大麦麹と酵母により発酵させていく。

その複雑な発酵過程を経ることでアミノ酸が数十種類以上作られるだけでなく、大麦由来の栄養成分やポリフェノール、ギャバ、オリゴ糖、クエン酸なども含まれていく。

ギャバが90%以上含有

とくに、もろみから抽出された「発酵大麦エキス」に乳酸菌を加えた「大麦乳酸菌発酵液ギャバ」は、ギャバが90%以上も含有され、機能性表示食品素材としても利用しやすいという。

ギャバとは人間や動植物の体にもともと存在しているアミノ酸の一種で、γ-アミノ酸のことである。

タンパク質を形成するアミノ酸とは異なり、哺乳類動物の脳や脊髄に存在し、抑制系の神経伝達物質としての働きや、血中のコレステロール、中性脂肪の代謝促進、アルコール代謝の促進、血圧低下作用などが認められている。

「大麦乳酸菌発酵液ギャバ」も一般的なギャバと同様、「血圧低下作用」や「抗ストレス・ストレス緩和作用」で機能性表示を行うのは十分可能であるという。

ギャバでポジティブな気持ちに

このギャバの新たな可能性として、現在新機能表示として準備しているのが「活力・活気の向上作用」と「美肌作用」であるという。

「活力・活気の向上作用」については、自社の臨床試験でもデータが出ている。

健常な成人(30?60歳の男女)だが、睡眠に問題を抱えていたり、ストレスが高いと感じている人56名をギャバ群とプラセボ群に分け、就寝前60〜30分前に毎日ギャバを100mg摂取してもらった(12週測定)。

その結果、4週目頃から群間差が出て、POMS2という測定方法で、ギャバ摂取群は、「いきいきしている、活力が湧く、やる気が湧く」といった体感や気持ちの変化を感じるようになった。つまりギャバでポジティブな気持ちになる可能性が示されたという。

肌の弾力やたるみで改善

こうしたことは、睡眠が改善された効果によるものかもしれないため、睡眠についてもどのような効果があるかを調査した。ギャバの睡眠に関する研究論文はすでに多数ある。

ギャバが睡眠に有効であることは否定できないが、実際に実験してみるとプラセボ群でも睡眠の質の改善が起こったため群間差はあまり出なかったという。

また睡眠に問題があったり、ストレスを感じている人は肌にトラブルが出やすいが、睡眠改善や抗ストレスのためにギャバを摂取した場合、肌にも副次的な効果が現れないかを、女性の被験者で確認した。

その結果、8週の経口摂取でギャバ摂取群に弾力・化粧ノリ・たるみの改善といった効果がみられたという。

コラーゲン生産遺伝子が発現

睡眠だけでなく、肌のノリやたるみも顕著に改善されていることから、さらに研究を深めると、肌の線維芽細胞に直接絵影響を与えていることがわかった。

例えば「大麦乳酸菌発酵液ギャバ」を摂取した後に、肌の線維芽細胞を調べると、コラーゲン生産遺伝子の発現が高まり、コラーゲン分解酵素の発現が低減したことや、エラスチン遺伝子の発現も優位に増加したことがわかったという。

いずれも1日100mgの摂取で効果が得られているが、ギャバそのものは知名度もあり、汎用性も高く、人気の機能性成分である。

しかし、何由来であるか、原料にこだわりたい場合は「大麦乳酸菌発酵液ギャバ」に注目して欲しいとまとめた。


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