活性酸素消去し生活習慣病対策に有用、
プロポリスの最新研究報告


2005年2月11日(金)、ニューハイアット東京(東京都新宿区)で、プロポリスの研究をすすめる会主催による「プロポリスの研究者報告会」が開催された。当日、門田重利氏(富山医科薬科大学和漢薬研究所化学応用部門・教授)の基調講演の他、松繁克道氏(薬草資源開発研究所所長・薬学博士)らによるプロポリス研究の最新報告が行われた。
ネパール産プロポリスから活性成分を初めて単離

門田氏は「東南アジアにおける伝統医療の現状とプロポリス活用の可能性」と題した講演で、ベトナム、ミャンマー、インドネシアにおける伝統医学と天然薬物資 源の調査研究の状況を報告。同研究は、「東南アジアは薬物資源が豊富で、伝統医学が盛んであるにもかかわらず、伝統医薬学の本格的な調査は行われていない」ことから、文部科学省が平成16年度より3カ年計画で科学研究を進めているもので、現代人がかかえる癌、難治性疾患、肝臓疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病など神経機能障害、生活習慣病の糖尿病などの治療のための新薬物資源の開発を目的としたもの。

この中で、門田氏らは、ネパール産プロポリスの活性成分が新規開環ネオフラボノイドおよび1つの新規カルコン、8つの既知化合物であることを確認。開環したネオフラボノイドをプロポリスから単離したのは初てであることを報告した。

公害による体内汚染で活性酸素が発生、生活習慣病やがんの引き金に

松繁氏は、「生活習慣病(公害病)を救うプロポリス」と題した講演で、「環境汚染が医療費を増大させている。病気の予防・治療の前に、環境問題を改善しなければ日本人の健康は改善されない」とし、ダイオキシンなど環境ホルモンによる環境汚染が体内汚染を招き、活性酸素を発生させ、生活習慣病の発症につながるという流れで、これをくい止める役割をプロポリスが担うと説いた。

また、がん治療においては、抗がん剤がフリーラジカル(活性酸素)を発生させるため、治療法の再検討が必要であることを指摘。現在の抗がん剤と放射線による治療法はフリーラジカル療法といえるもので、抗がん剤は直接がん細胞を攻撃するのではなく、体内で二次的にフリーラジカルを発生させ、がん細胞を攻撃するという。

しかしながら、こうしたフリーラジカルは、一方で、がん化のイニシエーター(きっかけ)となり、プロモーター(促進物質)となって、正常細胞の DNAを破壊してがん化させる側面もあるという。がんの再発、転移、副作用などフリーラジカルが関与することが推察される、と松繁氏はいう。

これに対し、プロポリスはその活性酸素消去能で、がん細胞の分裂を阻止し、アポートシス(自滅)へと追い込み、正常細胞にも害がなく、そうしたフリーラジカル消去理論に基づく治療は、これまで多くのがん患者に有用であったことを報告した。


Copyright(C)2004 JAFRA. All rights reserved.