今後は「修正と始末書」では済まず、「改善命令と課徴金」という流れが予測されるが、おそらく「課徴金」まで命じられるケースは「よほどの悪質広告」か「繰り返し違反が見られる」ケースなどではないか、と推測される。
「勝てるエビデンスづくり」が重要
景表法は消費者庁が管理しているが、課徴金の徴収以外の「警告メールから措置命令」までは自治体でも行えることになっている。
とはいえ、かつて措置命令を出した実績のある都道府県は、北海道、栃木、埼玉、東京、長野、岐阜、静岡、大阪、兵庫、広島、福岡で、これらは指導の体制が整っていることを意味する。つまりこれらの都道府県に本社を置く関連企業は薬機法違反においてもより注意が必要となる。
薬機法・景表法、いずれも違反とならないためにはルールをよく理解することと「勝てるエビデンスづくり」を行うことが何より重要であろう。
具体的には「臨床試験が行われていて統計的有意差が得られていること」「臨床試験は2群で行われていること」「結果が査読付き論文投稿されていること」「第三者機関によってもエビデンスが認められること」などが「勝てるエビデンス」となる。
実態のない「○○○賞受賞」や「医師・ドクターもおすすめ」といったものはむしろ逆に狙われる傾向にある。
「謝罪広告」は早めが良い
仮に行政から指導が入った場合、いつ「謝罪広告」を出すかについての相談も増えている。
謝罪広告を出したからといって課徴金が免れられることはないと思った方が良いが、課徴金の対象期間を短くし、金銭的なダメージを減らす効果はある。そのため、やはり「早め」が良いことが考えられる。
広告のルールは年々厳しさを増しているが、合理的な根拠や正しい言葉使いであれば認められるケースも増えている。
今までNGであった「ビフォー・アフター」も「認められる効果の範囲を超えないこと」「効能発言までの時間を強調しないこと」「効果持続時間を強調しないこと」を条件に認められている。
例えば、「汚れや老廃物による」という言葉がきちんと入れば「くすみ」が解消したというクレンジングのビフォー・アフターは現在可能となっている。
ルールを知り、強いエビデンスを作ることを遵守すれば、薬機法の課徴金制度スタートにも問題なく対応できる、とまとめた。
・