機能性表示食品市場の知名度が上がってきたことで、競合製品と差別化するために臨床試験を行ったほうが効果的と判断する企業が増えているためで、今後も臨床試験のニーズは高まると考えられる。
訴求別にみると、「生活習慣病予防」が44%を占め、「フレイル(高齢者の機能虚弱)予防」が16%と拡大している。今後もこのフレイル市場が狙い目となりそうだ。
フレイル市場は「オーラルケア」「脳機能サポート」「アイケア」「関節サポート」「骨」「筋肉サポート」「腸内環境」とさまざまなジャンルがある。
新たな機能性の追加で差別化を
「脳機能」については「イチョウ葉エキス」が主な関与成分だが、「記憶力の維持」といったヘルスクレームから新しいものがなかなか登場しなかったため停滞気味であった。
しかし、同じ「記憶の維持」でも、潟Zラバリューズは「クルクミン」による「"日本初"アミロイドベータやタンパク質の蓄積の抑制」をヘルスクレームにしたことで新たな風穴を開け、市場の再活性に期待が寄せられている。
このように、すでに受理されている機能性成分やヘルスクレームであっても、新たに機能性を追加したり、より具体的に作用機序を書き換えたりすることで差別化が可能となる。そうした商品こそが売れている傾向にある。
「生活の中で感じる不安や不便」の改善を訴求
ダイエット関連は停滞気味とされていたが、アフリカマンゴノキ由来エラグ酸が受理されたことで、再び受理件数も増え、市場も盛り上がりを見せている。
健康食品市場は年2.6%の割合で拡大を続けており(三生医薬及び富士経済調査)、特にサプリメント市場は機能性表示を中心に「肌質改善」「血糖値」「リラックス」「血圧」で市場拡大が続いている。
機能性表示食品の場合、「高くても売れている」ものも多くある。生活の中で感じる不安や不便を「食品やサプリメントで改善」でき、且つそれをわかりやすく訴求したプロモーションを行えば、機能性表示食品の需要は引き続き拡大するであろう、とまとめた。
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