2025年、団塊の世代が75歳以上に
少子高齢化が進む中、健康寿命の延伸に向け、疾病の予防、身体機能や生活の質(QOL)の維持のために、日々の食生活や栄養をどうするかが重要、と清野氏。
2025年には、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる。2042年には、団塊ジュニア世代が高齢者となり、国の働き手が激減する。
このあたりが日本のターニングポイントとなることが推測される。また、世界からも日本がこの問題にどう対応していくかが注目されている。
2025年に起こると予測されている課題の一つが、在宅医療と在宅介護を受ける人の増加。在宅医療は現在の1.7倍、在宅介護を受ける人は1.4倍に増える。
高齢者のフレイルと低栄養対策を推進
どのような介護を受けるにしても、誰もが「自分らしい暮らし」を最後まで望む。その実現は、国や自治体、医療や介護の専門家、家族のサポートによって叶う。
特に栄養や食生活の視点から寄り添い支えることが、管理栄養士に求められる。国も「高齢者のフレイル対策」と「低栄養対策」の推進をはじめている。
こうした中、昨年4月より「2020年版の食事摂取基準」の検討が策定検討会により行われている。
ナトリウムやタンパク質の量の見直し
「食事摂取基準」は日本人の1日に必要なエネルギーや栄養素量を示した基準であり、5年に1度改訂される。2020年版は2024年まで使用される。
2020年版は、前回の2015年版をベースに、「社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上」を策定方針とし、これまでの生活習慣病の予防・重症化の予防に加え、高齢者の低栄養やフレイル防止を視野に検討がなされている。
例えば、生活習慣病の予防や重症化予防を目的にナトリウム量を引き下げ、コレステロール量を新たに記載、フレイル予防では高齢者のタンパク質の目標量を見直している。
・
・