サバぺプチド、高い抗酸化力が魅力
〜食品開発展2019セミナー


2019年10月2日(水)〜4日(金)、東京ビッグサイトにて「食品開発展2019」が開催された。同展示会セミナーより、潟Gル・エスコーポレーションの講演「食品業界も大注目!国産さば100%原料サバペプチドの魅力」を取り上げる。


セレノイン、強力な抗酸化機能

エル・エスコーポレーションは、天然資源由来のオリジナルの原料開発やサプリメント製造などを手がけている。

取り扱う主力成分の一つに、エルゴチオネイン(抗酸化物質)があるが、研究過程で同成分に構造が非常に似た機能性物質「セレノイン」にも注目するようになった。

セレノインは、国立研究開発法人・水産教育・研究機構中央水産研究所が発見した新規化合物である。

セレノインはマグロなどの回遊魚に豊富に含まれる有機セレン化合物で、エルゴチオネインのチオケトン基がセレノケトン基に置換されており、強力な抗酸化機能を持つ。

このセレノインを規格化するために、複数の回遊魚を研究調査したところ、マグロにはセレノネインが多く含まれるが、水銀の量も多く、安全性を確保するためにサバに絞り、サバ由来のペプチドを製造するに至ったという。

サバペプチド、セレノネインが主成分

原材料のサバは、鯖寿司で有名な慨ABARと提携し、主に佐賀県と長崎県で水揚げされた国産の天然サバのみを使用。

サバを丸ごと酵素分解し、スプレードライしたエキス粉末で、賦形剤を含まない100%サバの安全性に優れた特許製品「サバペプチド」を完成させた。

サバペプチドは、有機セレン化合物であるセレノネインが主成分で、強力な抗酸化作用がある。

特に銅還元力(銅イオンの還元力を利用して抗酸化能力を発揮する力)が高く、抗酸化の標準物質であるトロロックスの23倍もの銅還元力を示す。

このサバぺプチドのフリーラジカル消去(抗酸化)機能や銅還元力により、活性酸素による生活習慣病や蓄積疲労を解消する効果が期待できる。

サバぺプチド、高血圧に対する効果

また、サバぺプチドは生活習慣病の中でも、高血圧に対する効果も確認しているという。

血圧が上昇するメカニズムで、肝臓から作られるアンジオテンシノーゲンや腎臓から作られるアンジオテンシンTが、アンジオテンシン変換酵素「ACE」によって「アンジオテンシンU」となる。

その結果、血管が収縮し血圧が上昇するが、サバペプチドの摂取でアンジオテンシン変換酵素「ACE」が阻害される。

しかも濃度依存的に阻害率が上昇することが確認できていることから、サバペプチドが高血圧対策の機能性成分としても十分対応できるという。

ちなみに「ペプチド」とはアミノ酸が2〜50個結合したもので、タンパク質よりも体内に吸収されやすく、ペプチドそのものにも機能性があることが注目されている。

タンパク質が高純度にペプチド化

サバペプチドはサバのタンパク質が高純度にペプチド化されたもので、高齢者に不足しがちなタンパク質源としても優れている。

サバペプチドは高齢者のタンパク質不足だけでなく、中高年の生活習慣病対策と、幅広い世代に対応できる。

何より日本人の食生活の変化に伴い、近年は水産物の摂取量が著しく減少している。ある調査によると現在の水産物の摂取量は昭和39年と同レベルまで下がっているという。

しかし日本人にとって魚食はタンパク質や微量元素の重要な供給源である。魚の中でも特に「さば」のある暮らしを提案しているSABAR社と、今後さまざまなプロモーションをかけ、「サバペプチド」を広めていきたいとした。


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