ちなみにAGEsは喫煙や酸化によっても生成が促される。
AGEsは皮膚の老化(はり・弾力の低下、くすみの原因)、アルツハイマー病(アミロイドβの凝集)、動脈硬化、骨粗鬆症(骨の脆弱化)、糖尿病合併症(網膜症や腎症)などの原因になることもわかってきている。
糖化によりAGEsが過剰に発生すると、さまざまな疾患リスクが高まることが報告されている。特に肌に与える影響は大きく、老尿病の患者はそうでない人に比べ肌弾力が5〜10歳も老化しているといった報告もある。
ペントシジン、体内の糖化の評価の鍵に
AGEsの中でもペントシジンという物質は、体内の糖化について評価する鍵となり、現在は腎症の早期臨床マーカーや骨粗鬆症のマーカーとしても使用されている。
ベントジシンは皮膚コラーゲンの中に存在しており、糖化が進んでいる人の皮膚コラーゲンには特に高く見られるため皮膚の糖化の評価にも使える。
他にも、AGEsにはカルボキシメチルリジンや、3―デオキシグルコソンなどいくつかの種類があり、いずれも糖化測定の指標マーカーとして使用されている。
近年は「AGEsリーダー」という測定器も開発され、前腕や指先を機械に当てるだけで、皮膚中のAGEs蓄積度がわかるようになっている。そのため今後ますます糖化について意識が高まっていくのではないか、と予測されている。
糖化反応を抑制する機能性食品成分
近年は糖化を抑制することを助ける成分に注目が集まっている。
例えばドクダミ、セイヨウサンザシ、ブドウ葉、ローマカミツレなどのハーブから抽出したハーブエキスに糖化反応を抑制する作用があることがさまざまな研究から明らかとなっている。
アークレイグループではこの4つのハーブから抽出したハーブエキスをミックスしたAGハーブMIXを開発し、2型糖尿病患者7名に1日600mg 12週間摂取してもらった。
その結果、3―デオキシグルコソンやカルボキシメチルリジンの値が有意に低下することや、肌の弾力が改善すること、シミが改善する効果などが見られた。
これまで抗糖化成分については予防的観点で製品開発が行われてきたが、AGハーブMIXはAGEsの分解や切断作用が高いものを選んでいるという。
他にもハイビスカス、フェネル、フェルグリークから抽出したエキスによって作られている「サトナシール」もAGEsの切断作用が期待でき、AGEsの前駆体抑制作用も見られるという。
現在はヒト臨床試験も行っており、エビデンスの構築中であるという。糖化対策のために糖質をなるべく減らすというのは当然必要だが、糖化反応を抑制する機能性食品成分や、AGEsの分解を促すサトナシールなどの新しい素材にもぜひ注目して欲しいとした。

・