【乳酸菌】
乳酸菌については、腸内環境を整える機能を謳ったものだけでなく、血圧・コレステロール値の低下やアレルギー症状の軽減といった機能にも人気が高まっている。
また、死菌であることを特徴とした乳酸菌素材が増加し、配合用途が多様化しているという。2019年度は前年比15.0%増の230tで推移。シールド乳酸菌やスマート乳酸菌など、免疫と関係するものも人気。
【GABA】
GABAについては、トップメーカーであるファーマーズは乳酸菌を用いた発酵法を確立し大量製造を実現させている。また同社は「Pharma GABA」のハラル認証を取得し、タイで現地飲料メーカーとの開発を行い2020年内に発売を予定しているという。
オリザ油化では、GABAが含まれる植物エキスの製品化を進めている。2019年度は前年比5.0%増の21tで推移。今後もストレスケアや睡眠の向上などの分野で出荷量拡大が見込まれているという。
【プラセンタ】
プラセンタについては、美肌効果はもちろん慢性炎症抑制など新たな機能性の研究も進められている。2019年度は前年比2.8%増の74tで推移。現在はインナービューティーアイテムとしての展開が主流だが、これからは加工食品などへの展開も期待されているという。
機能性食品素材、価格競争に陥りがち
このように、主要成分であってもさらなる市場拡大を目指した動きが見られるが、機能性食品素材はどうしても価格競争に陥りがちなデメリットがあるという。
この問題点を打開するために考えられるのが「一般食品の健康食品化」「アレルギー患者への対応」「ハラル認証」の3つ。
具体的には、機能性素材を用いて一般食品の素材や風味を損なうことなく健康食品化ができればヒットする商品は多く、シールド乳酸菌や、安定化DHA・EPAなどは今後そのような展開が期待されている。
今後、アレルギー人口がますます増加することが予測されるため、アレルギー患者でも安心して食べられる機能性成分は確実にニーズが高まるのではないか。
また、イスラム教徒は増加しているので、ハラル認証に対応した機能性素材の開発が望まれている。
2020年は新型コロナウイルスの影響で多くの素材が苦戦を強いられる見通しだが、乳酸菌をはじめ「免疫力」に関連する素材はまだ需要が拡大しているため、その辺りをヒントにしてもらえたら、とまとめた。
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