筋骨草エキス、高齢者の膝対策に
〜食品開発展オンラインセミナー


2022年6月13日〜24日、web配信により食品開発展オンラインセミナーが開催された。この中から、松浦薬業鰍フ講演「筋骨草エキス末C〜機能性表示食品対応素材」を取り上げる。


60代からの足腰の弱り急増

松浦薬業は中国を主とした世界各地から原料を輸入し、医薬品等を製造販売しているメーカーであるが、特に天然物の生薬や漢方薬の研究開発を得意としている。

そもそも漢方薬は未病段階のセルフケアに役立つものが多い。中でも「加齢に伴う虚弱・女性系のトラブル・アレルギー・慢性疾患」は漢方が最も得意とする分野である。

高齢化社会を迎えシニアの健康問題が社会問題となっている日本において、漢方ができることは多い。

松浦薬業が、60〜70代のシニアを対象に行った調査によると、60代くらいから足腰が弱くなったと感じる人が急増しているという。

70代になるとそれまでアクティブだったシニアも「足腰」や「膝」の不調を抱えるようになり、それにともない趣味や生きがいを楽しめなくなるのではと不安を抱える人が多い。

病気という釜に蓋をする

こうしたフレイルからロコモティブシンドロームへと移っていく高齢者対策のために松浦薬業が提案している健康素材が「筋骨草エキス」である。

筋骨草とは主に中国や日本など東南アジアに分布するシソ科の植物で「キランソウ」という名前でも知られる。

中国では生薬として長く利用され「病気を治し、病気という釜に蓋をする」という意味から「地獄の釜の蓋」とも呼ばれる。

骨粗鬆症への有用性

松浦薬業では以前から「筋骨草」をエキスにした「筋骨草エキス末」を開発し、骨・関節に対して有用であることを独自の薬理試験によって確認し販売している。

自社試験によると、筋骨草エキス末の摂取で骨代謝が改善され、コラーゲンの合成が促進されることが確認されている。これに伴い骨粗鬆症に対して有用性が発揮されることが明らかになっている。



またシニア世代の女性に多い変形性膝関節症についても関節の炎症を抑制することや、軟骨成分のコラーゲンの合成を促進することが確認できているという。

筋骨草、グルコサミンとも相性が良い

膝関節対策成分といえば「グルコサミン」が知られるが、筋骨草はグルコサミンと相性がよく、さらには閉経後の女性に特に必要とされる大豆イソフラボンとの相乗効果も確認できているという。

しかしこの成分は強い苦味があることがネックになっていた。そこで新たに「筋骨草エキス末C」を開発。これにより苦味はほぼなくなり、お茶やドリンク、プロテインや青汁に混ぜて摂取することもできるようになった。

また従来は1日の摂取目安料が150mgであったのに対し、エキス末Cの方は10mgと1/15にまで低減させることを実現。

これにより配合する商品の味や風味を損なうことなく、毎日摂取しやすい商品を開発することが容易になったという。

膝の違和感に有意に改善

エキス末Cは、規格成分として「20-ヒドロキシエクジゾン」を新たに設定している。この成分にはコラーゲン合成促進、酸化ストレス抑制、タンパ合成促進などの試験データも獲得できている。

現時点でランダム化二重盲検プラセボ対象試験を実施しており、膝に違和感がある男女44人を対象に筋骨草エキス末Cを12週間摂取させた。

その結果、日本整形外科学会機能判定基準による「屈曲角度及び強直・高度拘縮」のスコアに改善が認められた。

また、膝の違和感がより軽度な人を対象にした試験においても8週目、12週目でも膝の違和感に有意に改善が認められたという。

ロコモ対策だけでなく、人気のスポーツニュートリションとしても是非注目してほしいまとめた。


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