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 ポリアミン

 納豆やチーズなど発酵食品に多く含有

 高ポリアミン食、高齢者の動脈硬化抑制に貢献

ポリアミンはアミノ酸の一種であるアルギニンから細胞内で合成されます。全ての動物やヒトの細胞内で合成されますが、加齢に伴ない、ポリアミンを合成する酵素の活性が低下します。

ポリアミンは、濃度に差があるものの食品にも含まれ、中でも、大豆、キノコ類などに多く含まれます。とくに、大豆を発酵させた納豆、醤油、味噌には、微生物が産生したポリアミンが高濃度に含まれます。またチーズやヨーグルトにも、微生物が産生したポリアミンが多く含まれます。

日本人は大豆を伝統食としてきましたが、これにより動脈硬化が抑制されたと考えられています。またチーズやヨーグルトも、微生物が腸管内に生息することで、腸内を良い環境にし、動脈硬化を抑制するといわれています。実は、日本の伝統食である大豆とチーズやヨーグルトに共通して多く含まれているのがポリアミンなのです。

ポリアミンは発見されてから300年以上も経過する物質で、これまでに多くの研究が行われています。代表的なポリアミンとしては、spermine(スペルミン)、spermidine(スペルミジン)、putrescine(プトレスシン)があります。

動物実験のデータですが、Putrescineは腸内にある酵素、ジアミンオキシダーゼでほとんど分解されますが、spermidineと spermineは分解されず体内の細胞に移行します。ヒトの場合も、ジアミンオキシダーゼが腸管内に存在するためにputrescineは分解され、20%程吸収されます。しかし、spermine とspermidineは腸管内の酵素では分解されません。

実は、人の腸管粘膜にもポリアミンオキシダーゼはあります。ただ、この酵素は通常、spermidine やspermine が別の酵素によって分解されたアセチルスペルミン(もしくはアセチルスペルミジン)を分解する酵素です。そのため、食品中のspermine やspermidineは動物と同様に分解されることはほとんどないと思われます。

これまでの研究で、加齢によりポリアミンの体内合成が減少している高齢者は大豆、 チーズ、ヨーグルトなどの高ポリアミン食を多く摂ることで、リンパ球などの免疫細胞内のポリアミン濃度が上昇します。免疫細胞内のポリアミンが上昇することで動脈硬化が進行しにくい状態になることが考えられる実験結果が報告されています。

抗酸化作用のある物質を人に投与する研究が数多く行われてきましたが、ほとんどの研究で、抗酸化作用物質を人に投与しても心臓病等の症状を改善することができず、 一部では、むしろ有害であるとの研究結果も報告されています(文献1、2)。
ポリアミンは抗酸化作用の様に急性の炎症を抑制する作用(文献3、4)と同時に、慢性炎症を抑制するような作用(文献5)も有している為に、慢性炎症で誘発される 加齢に伴う疾患の進行を抑制する事がますます期待されています。

 ポリアミンに関する学術報告
文献:
  1. Vivekananthan DP, Penn MS, Sapp SK, Hsu A, Topol EJ. Use of antioxidant vitamins for the prevention of cardiovascular disease: meta-analysis of randomised trials. Lancet 361: 2017-2023, 2003.
  2. Lonn E, Bosch J, Yusuf S, Sheridan P, Pogue J, Arnold JM, Ross C, Arnold A, Sleight P, Probstfield J, Dagenais GR; HOPE and HOPE-TOO Trial Investigators. Effects of long-term vitamin E supplementation on cardiovascular events and cancer: a randomized controlled trial. JAMA.293:1338-1347, 2005.
  3. Zhang M, Caragine T, Wang H, Cohen P.S, Botchkina G, Soda K,Bianchi M, Urlich P, Cerami A, Sherry B, Tracey K.J. Spermine inhibites proinflammatory cytokine synthesis in human mononuclear cells: a counterregulatory mechanism that restrains the immune response. J.Exp. Med. 185 (10): 1759-1768, 1997.
  4. Wang H, Zhang M, Soda K, Sama A, Tracey K.J. Fetuin protects the fetus from TNF. The Lanset. 350: 861-862, 1997.
  5. Soda K, Kano Y, Nakamura T, Kasono K, Kawakami M, Konishi F.Spermine, a natural polyamine, suppresses LFA-1 expression on human lymphocyte. J.Immunol. 175: 237-245, 2005.
  6. 長寿食=高ポリアミン食 (自治医科大学大宮医療センター総合医学2 早田 邦康)
  7. 細胞内スペルミンおよびスペルミジンによるヒト抹消血単核球のLFA-1機能の選択的抑制(第35回日本動脈硬化化学会総会)
  8. ポリアミンであるスペルミンとスペルミジンは、CD11aとCD18の平均蛍光強度を抑制しCD62Lの発現を増強する(35回日本動脈硬化化学会総会)
  9. Natural polyamines inhibit adhesion of human peripheral blood mononuclear cells to human umbilical vein endothelial cells by suppressing LFA-1(2003.第13回ISA抄録)
  10. Natural polyamines, spermine and spermidine, decrease the mean fluorescent intensities of CD11a and CD18, and increase that of CD62L(2003.第13回ISA抄録)
  11. SPERMINE AND SPERMIDINE SELECTIVELY SUPPRESS CD11A AND CD18 EXPRESSIONS OF HUMAN PERIPHERAL BLOOD MONONUCLEAR CELLS(PBMCS) AND INHIBIT CELLULAR FUNCTIONS RELATED TO LFA-1(2003.第6回IRE抄録)
  12. SPERMINE AND SPERMIDINE DECREASE THE FLUORESCENT INTENSITIES OF CD11a AND CD18 IN HUMAN PERIPHERAL BLOOD MONONUCLEAR CELLS(PBMCS), WHEREAS THEY INCREASE THAT OF CD62L   (2003.第6回IRE抄録)

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