【 2004/9 】

抗酸化ビタミン・サプリメント、がんの化学療法による副作用を緩和

がん治療の抗がん剤投与の際、副作用で苦しい思いをするという声が患者サイドからよく挙がる。こうした副作用は活性酸素が関わっているといわれるが、以前、JAFRAでサプリメントの有効性を検証し、医療現場に役立てようとするEBM推進協議会の水上 治氏(参照:ヘルシーインタビュー)にこの点について聞いたところ、「抗がん剤の主作用も副作用もかなりの部分、活性酸素が関わっている」との見解で、抗酸化成分を多く含むハーブ・サプリメントの類は活性酸素を抑え、副作用を半減させる、ということであった。

活性酸素を発生させ、がん細胞を攻撃するというメカニズムで抗がん剤が投与されているのであれば、抗がん剤の主作用をハーブ・サプリメントの類が減弱する可能性もあるのではないか---、それに対しては、「実際に併用して抗がん剤の主作用が減弱したという患者は全くいない。ところが、副作用は明らかに減弱している」という。
さらに、「一回目の抗がん剤投与の時、ものすごく苦しんだという相談を受けたらハーブやサプリメントを薦めます。2回目からはこんなに楽だと、患者さんに感謝されます。ドクターも看護婦も楽だとびっくりしている。なぜ、抗がん剤の副作用が出ないのかと、そういうケースばかり」と付け加えた。

Cancer'04/9月号でも、サプリメントががんの化学療法による副作用緩和に役立つという内容の研究報告を掲載している。
ニューヨークの研究グループによるもので、乳がん患者49人に聞き取り調査を行った ところ、70%以上が化学療法を受けている間、何らかのサプリメントを使っている ことが分かったという。調べによると、総合ビタミン剤、もしくはビタミンEを多めにとった場合、少々だが、 好酸球の数が低下していることが分かった。特に、葉酸値が多いと、好酸球の値が低 かったという。

他にも、American Journal of Clinical Nutrition'04/6月号が同様な研究内容を報じているが、 ニューヨークの研究グループが、子供の急性白血病患者103人を対象に 抗酸化ビタミン摂取と化学療法の副作用を調査。6ヶ月の期間中、被験者にビタミンE、 総カロチノイド、ベータカロチン、ビタミンAをそれぞれ、1日の推薦摂取量の66%、 30%、59%、29%与え、さらに、ビタミンCを多く与えたところ、副作用や入院期間 が減少することが分かったという。

この他、最近のビタミン関連のニュースとしては以下のようなものがある。
・ビタミンE、糖尿病の予防に有用
(Diabetes Care'04/9月号)
・ビタミンD、高齢者の筋肉力と可動性の維持に役立つ
(American Journal of Clinical Nutrition'04/9月号)
・ビタミンC、喫煙者の血液循環改善に効果的
(American Heart Journal'04/8月号)


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