【 2013/8 】

ガーリック、肺ガンのリスク低下に有用

気管支ぜんそくのある人で、適度の運動と生野菜の摂食の習慣がある場合は症状が軽い。8月16日付けの朝日新聞で、そうした調査結果を国立国際医療研究センターが発表したと報じている。研究者らは、野菜の栄養成分や適度な運動が筋力の維持に貢献している可能性があると考えているという。

研究は、同センターの飯倉元保医師(呼吸器内科)らによるもので、2009年の同センターへの通院患者437人、平均年齢64歳を対象に調査した。結果、気管支ぜんそくの症状が軽かったのは、週に生野菜を片手の平に5杯盛る量以上摂り、週に1時間以上歩行運動をしていた患者だったという。

野菜はカロチノイドなど抗酸化物質を多く含み、健康管理に有益な役割を果たす。片手の平に5杯盛る量の生野菜というと、よく知られるのが「毎日野菜5皿分(350g)を摂ろう」という野菜の摂食運動である。アメリカでは、90年代に入り、ガン撲滅のために野菜・果物の摂取増を目指す「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)」という運動を官民の協力体制のもと展開。5 A DAY運動は着実に成果を挙げ、その後のガン罹患のリスク低下に貢献した。

近年日本でも、日本人の野菜の摂取量が減少傾向にあることが懸念され、さまざまなフォーラムで野菜の摂食が薦められている。

ところで、気管支ぜんそくは気管支が狭くなり、呼吸系統に障害が生じる。肺ガンとも関連するが、この肺ガン予防に緑黄色野菜の摂食が有益であることも報じられている(Nutrition誌08.3月号)。

Galician Public Foundation for Health Emergencies研究者グループが、被験者617人(肺ガン患者295人、健康体322人)に、食品頻度調査(FFQ)を行ったところ、緑葉色野菜を1日最低1回摂食するグループは1週間に5回未満のグループに比べ、肺ガンに罹るリスクが5%低いことが分かったという。

肺ガンに関する最新の報告では、生ニンニクが肺ガンのリスク低下に有用であると、American Association for Cancer Research誌13.8月号で報じている。Jiangsu Provincial Center for Disease Control and Prevention研究者グループが、肺ガン患者1,424例と健常被験者4,543例に対し、ニンニクの摂取量や喫煙習慣について調べた。結果、喫煙の場合でも、生ニンニクを週2回以上摂取により肺ガンのリスクが約30%低減することが分かったという。


また、Journal of Clinical Oncology誌13.4月号では、高大豆食は女性の肺ガンの生存率上昇に有益であると報じている。Vanderbilt University Medical Center研究者グループが、上海在住女性74,941人が参加したShanghai Women's Health Studyデータを使って、豆乳、豆腐などの大豆食品摂取と肺ガンとの関連性を分析した。 結果、肺ガンの診断から12カ月生存の割合は、最多摂取群が60%、最少摂取群が50%だったことが分かったという。

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