【 2014/6 】

アシュワガンダ、男性の精子数の増加に貢献

2014年6月26日(木)、アーユルヴェーダ医療融合協会主催のセミナー「アーユルヴェーダの本質〜日本の現状を踏まえて」が開催。この中で、上馬塲和夫氏(帝京平成大学ヒューマンケア学部東洋医学研究所教授)による講演「伝統医学を融合したアーユルヴェーダ」が行われ、日本のおけるアーユルヴェーダの現状などが報告された。

近年、アーユルヴェーダやヨガといったインド古来の伝統医術や心身修養が日本でも利用者が増えている。 アーユルヴェーダで用いるハーブ素材についても、その有用性に注目が集まっているが、最近の報告では、アシュワガンダの根抽出物は男性の精子数を増やすと、Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine誌2014.6月号で報じられている。

インドの研究者チームが、精子数が少ない男性46人に、アシュワガンダ根抽出物サプリメント(3回投与、675mg/日)、またはプラセボを90日間投与した。その結果、アシュワガンダ投与群は、テストステロン値が17%増加。また、精子数が167%、精液量は53%、精子運動性が57%それぞれ増大したことが分かったという。

アシュワガンダには他にインドニンジン、ウィンターチェリーなどの呼び名もある。アシュワガンダは、コショウ属の低木で、緑あるいは黄色の花を咲かせる。インドおよびアフリカを原産とするが、現在はアフリカ、地中海など広く生育している。

アシュワガンダは、アーユルヴェーダで、3000年以上にわたり貴重なハーブとして扱われてきた。肝臓強壮、抗炎症、鎮静などの作用で、気管支炎や喘息、潰瘍、不眠症などの症状・疾患に幅広く使用されている。

アシュワガンダのさまざまな疾患への有用性はこれまでの研究で明らかになっているが、中でも注目されているのが老化防止作用。50〜59歳の健康体男性101人を対象にした研究では、アシュワガンダを1日3g、1年与えたところ、血中のヘモグロビン、赤血球、髪の毛のメラニン値が改善されたと報告。さらに、性的機能の改善が71.4%で見られたという。

アシュワガンダについては、高齢化や男性機能の対応素材として今後も期待されるが、同様な作用ではイチョウ葉が知られる。男性機能の回復についても血流改善からビタミンEとともに有用とされている。

また、認知機能の向上についての報告も数多いが、最近の報告では、BMC Complementary and Alternative Medicine誌2014.5月号で、イチョウ葉エキス含有サプリメントは高齢者の認知機能改善に有望と報じている。

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