【 2015/5 】

オメガ3脂肪酸、アスリートの能力向上に一役

2015年5月20日〜22日、東京ビッグサイトで、ifia Japan2015「第20回国際食品素材/添加物展・会議」が開催。同展示会セミナーで日本製粉鰍ェ「健康で美しく、ニップンのセラミドとアマニ」と題して講演した。

アマニ(亜麻仁)とは、亜麻科植物の種子(フラックスシード)で、構成成分は、40%が脂質(αリノレン酸)、たんぱく質が20%、リグナンが1%、食物繊維(水溶性/不溶性ともに)が28%。αリノレン酸はオメガ3脂肪酸で必須脂肪酸だが、亜麻仁油はαリノレン酸を多く含む。

ちなみに、米国でオメガ3脂肪酸を含む魚油サプリメントは栄養療法の使用サプリメントとして最も人気が高い。しかし、魚に含まれる水銀が妊娠適齢期の女性に弊害をもたらすと米食品医薬品局(FDA)が指摘したことから、亜麻仁油への関心が高まっている。

また亜麻仁油の魅力の一つに、フィトケミカルのリグナンがある。リグナンは、ホルモンバランスを調整し、乳がんや子宮内膜症、前立腺がん、結腸がんなど有用性が報告されている。WHO(世界保健機構)では亜麻種を"スーパー食品"と評価している。

オメガ3脂肪酸に関する最近の研究報告では、自転車競技アスリートの能力向上に役立つと、European Journal of Sport Science誌2015.5月号が報じている。

Academy of Physical Education、Medical University of Silesia研究チームによるもので、一流自転車競技選手13人を、オメガ3脂肪酸(1.3g/日)投与群、プラセボ投与群に分けた。

3週間後、血中の一酸化窒素(NO)濃度測定、血管内皮機能検査(FMD)を行ったところ、オメガ3脂肪酸投与群のNO値は平均13.9mmlから23.5mmlに有意に増大したことが分かった。一方、プラセボ群は、15.3mmlまでしか上がらなかったという。NOは、血管内皮細胞が血管を拡張させるための作動物質と考えられている。

また、FASEB Journal誌2015.4月号では、オメガ3脂肪酸サプリメントは軽度認知障害(MCI)の軽減に有用と報じている。 UCLA研究チームによるもので、オメガ3脂肪酸(2000mg)とハーブ配合のドリンクサプリメントの軽度認知障害に対する影響を検討。

MCI患者12人、前MCI患者2人、アルツハイマー病患者7人にオメガ3脂肪酸配合ドリンクを与えたところ、MCIおよび前MCI患者のβアミロイドのクリアランス(除去)率を測定したところ、530から1306(蛍光強度単位)に増加したことが分かった。βアミロイドタンパク質は老人斑の構成成分で、アルツハイマー病の主要因と考えられている。一方、アルツハイマー患者群には有意な増加は見られなかったという。

Copyright(C)JAFRA. All rights reserved.|HOME >