【 2008/9 】

ビタミンD、カルシウムの吸収高め大腸がんのリスクを低下

22日付けの朝日新聞によると、 カルシウムとビタミンDを多く摂ると、大腸がんの罹患リスクが低下する可能性があることが九州大の古野純典教授らの研究で分かったという。研究は福岡市近郊に住む大腸がん罹患者836を対象に、食事やライフスタイルとの関連を調べた。カルシウムを平均700ミリグラム摂り、さらにビタミンDを多く摂る人は、大腸がんのリスクがカルシウムおよびビタミンDともにあまり摂らない人より6割低かったという。

ビタミンDは脂溶性ビタミンで食品中に含まれる。とくに、タラ肝油、サーモン、サバ、イワシ、ウナギなどに多い。また、太陽の紫外線もビタミンDの供給源。紫外線は皮膚のビタミンD合成を促進する。太陽の照射時間が短い北欧などでは、ビタミンDのサプリメント摂取が薦められている。

ビタミンDは、血中のカルシウム並びにリン濃度を正常に保つ。また、カルシウムの吸収を助け、強い骨を形成・維持する。腰骨骨折で入院している骨粗しょう症患者の50%がビタミンD不足であることも分かっている。そのため、1日に800IU補給すると、高齢者の骨粗しょう症による骨折は減少するという。

最近、ビタミンDとさまざまな疾患との関連を示す研究報告が増えてきている。
ビタミンDががんや心臓病などの死亡率低下に関連していると報じられている(Archives of Internal Medicine)。European Institute for Oncology研究者グループによるもので、57,000人以上の被験者を含む研究18件のデータから、がんや心臓病などの死亡率とビタミン摂取との関連性を調べた。

結果、ビタミンE、総合ビタミン剤などの摂取で、死亡率に影響を与えたのはビタミンDだけだったことが分かった。ビタミンDを摂取していた場合、摂取しなかったグループと比べ、死亡率が7%低かった。ビタミンDの投与量は平均528IUだったという。

また、カルシウムおよびビタミンDは糖尿病のリスク低減に役立つことが、Diabetes Care誌06/4月号に掲載されている。
Tufts-New England Medical Center研究者グループが、Nurses Health Studyに参加した83,779人の糖尿病II型に関するデータを分析した。

結果、カルシウム(1200mg以上)とビタミンD(800IU以上)を毎日摂取すると、糖尿病II型の危険性が33%低減することが分かった。
特に、ビタミンDサプリメントからの摂取が400IU/日の場合、100IUの場合と比べリスクは13%低くなるという。また、カルシウムは、1200mg/日以上を摂取する場合、600mg未満に比べ、21%低くなっている。


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