【 2009/1 】

ザクロや低炭水化物、前立腺がんの腫瘍抑制に関与

1月1日、厚生労働省が公表した「平成20年人口動態統計」によると、平成20年の死亡数は推計で114万3000人(平成19年より3万5000人増)。3大死因は、第1位ががん(悪性新生物)で34万3000人、第2位が心疾患で18万4000人、第3位が脳血管疾患で12万6000人。

がんが依然、疾患死因のトップに立っている。ここ10年間の心疾患や脳血管疾患の死亡推移は増減がみられるが、がんは一貫して増加している。 平成20年のがん死亡は全死亡数の33.3%を占める。もはや3人に一人ががんで亡くなる時代が定説化したかのようだ。

今後、日本は超高齢化時代に突入する。加齢に伴い、がん罹患率も高まる。最も懸念されるがんといえば、90年代より増加傾向にある前立腺がんであろう。2020年には肺がんに次いで第2位になることも予測されている。

最近の研究では、ザクロのエキスが前立腺がん対策に有用であると報告されている(The Journal of Nutritional Biochemistry誌09/1月号)。University of California, Los Angeles研究者グループが、アンドロゲン依存および非依存前立腺がん細胞を使って、ザクロ・エキスがアンドロゲン合成酵素およびアンドロゲン・レセプタに関わる遺伝子発現にどう影響するかを調べた。

結果、ザクロ・エキスは両タイプのがん細胞の増殖を抑え、細胞アポプトシスを促進したことが分ったという。研究者グループは、エキスが前立腺がんに関与する遺伝子発現を2倍抑制したと報告している。

前立腺がんの予防には、低炭水化物の食生活が役立つことも報告されている(Prostate誌07/11月号)。
Duke University Medical Center研究者グループが、マウスに低炭水化物のエサ、低脂肪だが高炭水化物のエサ、高脂肪および高炭水化物のエサのどれかを与え、前立腺がんの腫瘍増殖を調べた。

結果、低炭水化物グループの腫瘍サイズが最も小さく、生存率も高かったことが分った。最も腫瘍が大きくなり、生存率も低かったのは高脂肪および高炭水化物グループだったという。


一方で、セレンやビタミン類は前立腺がんに有効性は見られないことが報告されている(Journal of the American Medical Association誌09/1月号)。
University of Texas研究者グループらが、50歳以上のアフリカ系アメリカ人や米国、カナダ在住の55歳以上の被験者35,533人を対象にSELECT研究を行った。
被験者には、セレン(200マイクログラム/日)、ビタミンE(400IU/日)、セレン+ビタミンE、プラセボのどれかを7年間与えた。結果、全体として、4群の間に有意な差は見られなかった。実際、5年間で前立腺がんの発生率は4群とも4.43〜4.93%の間だったという。

また、Brigham and Women's Hospital研究者グループは男性医師14,641人に、ビタミンE(400IU/1日おき)、ビタミンC(500mg/日)、プラセボのどれかを8年間与えた。
研究期間中、前立腺がんは1,008症例、その他のがんが1,943症例発症しており、プラセボ群とビタミン投与群との間に有意な差は見られなかったという。

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