【 2009/8 】

妊婦とメタボ、新型インフルエンザの死亡リスク高まる

妊婦とメタボリック症候群は新型インフルエンザの死亡リスクが高い---。
8月22日付けの朝日新聞によると、フランス広衆衛生研究所の研究者らが新型インフルエンザで死亡した27カ国574人のうち、もとの健康状態がわかる241人をみたところ、9割が持病を持ち、中でも、肥満や糖尿病といったメタボリック症候群が3割弱を占めていたという。

また、妊婦についても、死亡した女性20〜39歳の3割を占めており、重症にいたる恐れが強いことが確認されたという。

新型インフルエンザによる死者については、23日現在で、米国が1876人と最も多く、次いで東南アジア139人、欧州85人となっている。24日、オバマ大統領の科学技術諮問委員会は、米国で秋以降、新型インフルエンザで、約9万人が死亡すると予測する報告書を公表した。米国民の30〜50%が感染し、最悪で180万人が入院することになるという。

日本での対策については、国産ワクチンを10月あたりから1300万人〜1700万人に供給する体制で、足りない分は輸入ワクチンを検討している。 

新型インフルエンザに関わらず、メタボリック症候群はさまざまな疾患リスクが高まることはすでに明らか。日頃から、食事や運動でメタボ対策を講じることが大切だ。

最近の報告では、ビタミンD欠乏はメタボリック症候群のリスクを高めると、Journal of Clinical Lipidology誌09/8月号で報じている。Provident Clinical Research研究者グループが、18歳以上の男女257人を対象に食事およびサプリメントの摂取状況を調査した。

研究者らが、ビタミンD代謝副産物である25−hydroxyvitaminD(25−OHD)濃度をみたところ、最も低い群のメタボリック症候群リスクは31%、一方、最も高い群では10%だったことが分ったという。

また、ビタミンD摂取を10ng/mL増加するごとにHDLコレステロールが3.8〜4.2mg/dL増大することが分ったという。HDLコレステロールが1mg/dL増加すると、冠動脈心疾患(CHD)リスクが4〜6%低下すると考えられている。

Diabetes Care誌09/6月号でも、ビタミンDとメタボリック症候群との関連を報じている。

Shanghai Institute of Biological Sciencesなどの研究者グループが、Nutrition and Health of Aging Population in China(NHAPC)の被験者の25−OHD値を分析したところ、太りすぎおよび肥満群ではインスリン値およびインスリン抵抗性と25−OHD 値との関連性が見られるが、正常体重群では見られなかったという。

また、コレステロールカットにウォルナッツが役立つと、American Journal of Clinical Nutrition誌09/7月号で報じている。 ハーバード大学研究者グループによる研究で、総数365人が参加した研究13件(各研究期間は4〜24週間)を分析。摂取されたウォルナッツは総カロリーの10〜24%にあたる。分析によると、ウォルナッツを摂食すると総コレステロール値およびLDLコレステロール値を有意に低下させたことが分ったという。

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