【 2011/8 】

慢性閉塞性肺疾患(COPD)予防、ビタミンEや大豆で予防

英医学誌「Lanset」が日本の保健医療に関する特集号を発行するという(8月31日付け朝日)。それによると、日本は世界一の長寿国だが、男性の喫煙率の高さや自殺の増加などにより、長寿国としての地位の存続が危ぶまれているという。

同誌では、日本が長寿世界一になった理由として、1950〜60年代の感染症対策、60年代後半からの減塩や降圧剤の普及による脳卒中死亡率の低下を挙げており、今後のリスクファクターとして懸念されているのが喫煙と高血圧であるという。

同誌のコメント欄では、クリストファー・マレー米ワシントン大教授が、日本におけるタバコ規制などの不十分さを挙げ「世界での平均寿命の順位が落ちていくかも知れない」と指摘しているという。

喫煙に関しては、活性酸素の弊害が指摘されている。最近の報告では、抗酸化ビタミンであるEが肺疾患の予防に役立つことが、Thorax誌11/6月号に掲載されている。 Cornell University研究者グループが、女性38,597人が参加したWomen's Health Study(WHS)のデータ分析をしたもので、被験者は、ビタミンEサプリメント600IU(1日おき)+アスピリン100mgかプラセボのどちらかがを投与された。

10年間にわたる試験では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の新規発症がビタミンE投与群は760例、プラセボ群は846例であった。これにより、ビタミンE投与でCOPDのリスクが10%減少したことが推測されたという。


また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関しては、大豆が有用であることが、Respiratory Research誌09/7月号最新号に掲載されている。
日本およびオーストラリアの研究者グループが、日本人で50歳から75歳の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者278症例(男性244人、女性34人)を対象に研究を行った。

対照群は340症例(男性272人、女性68人)で、被験者全員の呼吸器機能を検査。また、食品摂取状況やライフスタイルの調査も行った。被験者には調査日前5年の大豆摂取状況を特に尋ねた。
結果、COPD患者は対照群に比べ、大豆摂取度が有意に低いことが分ったという。

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