【 2012/5 】

うつ症対策に、オメガ3脂肪酸

5月2月付けの朝日新聞によると、内閣府の調査で、「大人の4人に一人 が自殺を本気で考えたことがあり、そのことを20人に一人が1年以内に考えた」ことが明らかになったという。調査は今年1月、20歳以上の3000人にアンケートを実施。うち2017 人が回答し、「本気で自殺したいと思ったことがある」が23%だった。世代別でみると、20代が28%、40代が27%、50代が26%。また「最近1年以内に自殺を考えた」が5%、20代では10%だったという。

近年日本では、景気低迷による経済的困窮や震災などによる社会不安を背景にうつ症傾向の人々が増えている。自殺の最大要因として、うつ症が挙げられており、対策が急がれている。
米国も過酷な競争社会のためか、ストレスからうつ症を発症する人々が多い。一頃、ブームになったセント・ジョンズ・ワート、カバカバ、メラトニンなどは精神の安定化をもたらすハーブやサプリメントである。

他に、米国でうつ症対策の栄養素として注目されているのが魚に含まれるオメガ3脂肪酸。
最近の報告では、オメガ3脂肪酸は抑うつ症状の軽減に有望であると、Prostaglandins, Leukotrienes and Essential Fatty Acids誌12.4月号が報じている。

University of Rochester研究者グループが、2005-2008 National Health and Nutrition Examination Surveyに参加した10,480例のデータから、魚摂取と抑うつ症状との関連性を調べた。
結果、EPA+DHA摂取により抑うつ症状を25%減少したことが判明した。一方、総合的な魚摂取と抑うつ症状との関連性は認められず、反対に魚フライ摂取は抑うつ症状の重症度を増大したことが分かったという。  

うつ症状の改善に役立つ素材では、コーヒーやビタミンDも挙げられている。
Archives of Internal Medicine誌11.10月号がコーヒー摂取は女性のうつ病予防に役立つと報じている。

Harvard School of Public Health研究者グループが平均年齢63歳の女性50,739人を対象に、1980年に遡って被験者のコーヒー摂取状況と1996年から2006年の10年間のうつ状態を分析した。結果、コーヒーを1日2〜3杯飲んだ場合、抑うつ症状の発症リスクが15%減少することが判明した。また、4杯飲んだ場合では、20%減少が認められたという。


また、International Archived of Medicine誌10.12月号では、ビタミンD不足がうつ病のリスク増大に関連すると報じている。
Georgia State Universityなどの研究者グループがUS National Health and Nutrition Examination Surveyのデータを分析し、15〜39歳の7,970人を対象に血 中ビタミンD濃度とうつ病との関連性を調べたところ、血中のビタミン濃度が50ナノモール/L以下では75ナノモール/L以上に比べ、うつ病エピソードを呈するリスクが85%増大していることが分かったという。

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