【 2012/8 】

クロレラ、免疫改善に関与

2012年8月19日(日)、日本科学未来館で、NPO法人 日本免疫学会が主催する「免疫ふしぎ未来2012」)が開催された。今回のキャッチフレーズは「研究者と話そう! 探検しよう、やってみよう、免疫学!」。日本免疫学会は、約5,500名の免疫学者を擁する学術団体で、会員の学術交流や研究成果の社会還元を目的に活動している。今回は、研究者らのトークショーが行われ、理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センターの大野 博司氏が「腸内細菌と免疫の関わり」について解説した。

人間の体の細胞数は約60兆個、大腸には数100種、100兆個以上の常在菌がいることが分かっている。 大野氏によると、体全体の免疫細胞や抗体の60%が腸管に集中しており、近年、人体における最大の免疫器官は腸管であるといわれるようになっているという。

腸内細菌には善玉、日和見、悪玉の3タイプあるが、腸管免疫は善玉も悪玉も判断せずに腸内に細菌を共生させ、こうした細菌により、腸管免疫が刺激されている。 とくに善玉菌として知られるビフィズス菌は腸内の環境を整え、腸管免疫を活性化し、免疫機能全体を高める。

腸内細菌の中でも善玉菌は加齢とともに減少するが、充分な善玉菌が棲みついていれば、腸管免疫が活性化し、さらに善玉菌も増加するというプラスの循環が生じるという。

最近の免疫に関わる研究報告では、クロレラが免疫機能改善に有用であると、Nutrition Journal誌12.8月号で報じている。Yonsei University、Daesang.Co.Ltd(韓国)の研究者グループが、韓国人の健常被験者51例を、クロレラ投与群(5g、23例)とプラセボ投与群(28例)に分け、8週間観察した。


結果、クロレラ投与群は、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性 が10%増大したことが分かった。一方、プラセボ群では多少の減少が見られたという。

また、ワイルドブルーベリーがDNA損傷予防に有用であると、European Journal of Nutrition誌12.7月号で報じている。
Universita degli Studi di MilanoおよびUniversity of Maine研究者グループが、心血管系疾患のリスク因子を最低1つ有する男性(平均年齢48歳)に、ブルーベリージュース(コップ1杯/日)かプラセボを6週間与えた。結果、6週間後、ジュース群では白血球のDNA損傷が12.5%から9.6%へと低下したことが分かった。一方、プラセボ群には変化が認められなかったという。

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