患者パワーががん医療を変える!
〜補完・代替医療推進のアン・フォンファ氏公演


2010年7月16日(金)、ホテルパシフィック東京で、アニー・アップルシード・プロジェクト代表を務めるアン・フォンファ氏の来日公演が行なわれた。1993年に乳がんと診断された彼女は、徹底的に補完・代替医療の情報収集と実践を行ない、1997年にはアップルシード・プロジェクトをスタートさせ、ガン患者への情報支援を行なっている。現在全米に広がるこの活動に世界中から大きな関心が集まっている。


西洋医療の現場では、おとなしい患者ほど損をしかねない

アン・フォンファ氏は1993年、健康診断で発見された乳房のしこりが第一期乳ガンと診断された。しかし、化学物質に強いアレルギーを持つアン氏は、抗がん剤と放射線治療を自らの意思で拒否。

その後、3回の外科手術を行ない、左乳房を切除。以後も、小さな腫瘍が発見されたりと、一進一退を繰り返す。この間、アン氏は補完・代替医療や自然療法、インフォームド・コンセント、セカンド・オピニオンといったことに強く関心を抱き、徹底的な情報収集と実践を行う。

そこでアン氏が得た結論は、西洋医療の現場では、おとなしい患者ほどあらゆる意味で損をし兼ねない、医師の薦める治療法が必ずしも完璧ではないということ。そして、さまざまな治療のメリット・デメリットの情報提供を受ける権利は患者側にあるということであったという。

HPに毎月8〜9万件のアクセス

1994年、アン氏は補完代替医療グループの活動や設立に携わる。1997年にはアニー・アップルシード・プロジェクトを設立、以降、補完代替医療に関連する情報発信や教育、支援などの活動に勢力的に取り組む。

アニー・アップルシード・プロジェクトをスタートさせた際、ホームページは25ページであったが、現在は8000ページを超え、毎月8〜9万件のアクセスがある人気サイトに成長したという。 彼女の発信する豊富な知識と経験、率直な見解、病気に屈しないという前向きな姿勢が多くの患者に勇気を与えている。

新鮮な野菜・フルーツの摂取を推奨

現在、彼女が提唱する「自然の方法でガンのリスクを軽減させる」方法とは、新鮮な野菜・フルーツを積極的に摂る、適度な運動、心身のリラックス、そして体内浄化(デトックス)とサプリメントである。

極めてベーシックな健康法だが、日々の生活で継続することは難しい。しかしながら、そうした健康法をしっかり実践し、ガンを克服して世界中を飛び回るアン氏の話には説得力がある。補完代替医療も多種多様、私たちの知らないがん療法はいくらでもあるとアン氏はいう。

自然な療法で病気を克服して欲しい

医師の診断や治療は大切だが、それよりも、それが自分にあっているかどうか、自分が信じられるかどうかが何よりも重要であり、仮に、ベーシックな健康法を実践していてガンになった場合でも、セカンド・オピニオンを利用し、最終的には自分で判断した方法、できればより自然な療法で病気と戦い克服して欲しいと会場の参加者に強く訴えた。

会場の参加者のなかには、闘病中の人も多く、多くの質問があがった。 乳ガンに罹患した患者からの、「二人の主治医がいるが、それぞれの先生が違うことをいうので、どうしていいかわからない」という質問に、「よくあるケース。医師間のコミュニケーション不足は医療現場での大きな問題点のひとつ。セカンド・オピニオンを利用し、自分がより信じられる医師の話を聞くようにする。どちらも信じられない場合は、最終的に自分を信じるしかない」と答えた。

また、「自然療法の効果は遅く感じる。どれくらい継続すべきか」という質問には、「一つの療法をまず3〜4ヶ月行う。そこで効果が現われなければ別の方法にスイッチする。ただ、自然療法はやめてしばらくしてから効果を実感するというケースも少なくない」と答えた。



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