かんきつおよびベリー素材の多彩な美容機能(ユズ、温州みかん、リンゴンベリー)
2011年10月6日(水)、東京ビックサイトで「食品開発展2011」セミナーが開催された。超高齢化社会の到来に伴い年々需要の高まる健康素材・美容素材・アンチエイジング素材が国内外から数多く出品、エビデンスや最新のテクノロジーについての発表も各企業から行われた。この中から、オリザ油化鰍フ「かんきつおよびベリー素材の多彩な美容機能(ユズ、温州みかん、リンゴンベリー)」を紹介する。


表皮のターンオーバーの促進に貢献

オリザ油化鰍ナは新素材の開発で美容素材としてユズ、温州みかん、リンゴンベリーに注目している。ラットベースの検証では、「美肌効果」が高いことが認められ、その機能とメカニズムについて報告した。

ユズについては、種子中にリモノイド化合物リモニンであるリモネン、ノミリン、ヘスペリジンなどが豊富に含まれている。ユズ種子エキスを皮膚細胞に加えて培養すると、表皮層だけでなく真皮層の肥厚が認められる。

この実験結果から、表皮細胞の増殖、真皮成分つまりコラーゲンの生産促進、繊維芽細胞の増殖にユズ種子エキスが大きく関わることが判明、加齢とともに損なわれる表皮のターンオーバーの促進に貢献することが解明されたという。

コラーゲン分解酵素の発現を抑制

ターンオーバーとはいわゆる「美肌」の鍵となる肌の新陳代謝のことで、加齢やストレス、睡眠不足などがターンオーバーの乱れの原因であることがわかっている。ターンオーバーの正常化、肌の生まれ変わりは、健康で若々しい肌の維持に最重要だが、これにユズ種子エキスが貢献できると期待される。

実験から、ユズ種子エキスを表皮に添加して培養すると、ストレスや紫外線などで表皮の中に発現する3つの遺伝子の他、ヒアルロン酸分解酵素・セラミド分解酵素、コラーゲン分解酵素の発現を抑制する効果が判明したという。

ユズ種子エキス、保湿性や弾力性を維持

ヒアルロン酸もセラミドもコラーゲンも表皮や真皮の構成要素として非常に重要だが、内外からの刺激やストレスによりこれらを壊す遺伝子が発現し、肌トラブルを起こす引き金となる。

ユズ種子エキスを加えることで皮膚の構成成分は保護され、表皮のバリヤ機能、保湿性、弾力性が維持されるというのがユズ種子エキスによる表皮/真皮ケアのメカニズムで、実際にこの機能性がすでに市販されているサプリメントやドリンクにも利用されはじめているという。

βクリプトキサンチン、メラニンの増殖を抑制

温州みかんエキスはフラボノイド配糖体で、βクリプトキサンチン、タンゲレチン、ヘスペリジン、ノビレチン、カロテノイドを豊富に含む。

マウスの表皮に紫外線を当て、メラニン色素の増殖をみたところ、温州みかんエキスから抽出のβクリプトキサンチンを投与したマウスのほうがメラニンの増殖が殆ど見られなかったという。

同様にUV-Bを照射したヘアレスマウスと、それにβクリプトキサンチンを投与したマウスとの比較、ヒトメラノサイトで刺激したヘアレスマウスとそれにβクリプトキサンチンを投与したマウスとの比較では、いずれもβクリプトキサンチンを投与したマウスにはメラニン生成を抑制する効果が認められた。

また、βクリプトキサンチンにはメラノサイト刺激ホルモンのレセプター、プロスタグランジンe2のレセプター、メラニン生成分子を促進する遺伝子発現を抑制する効果が認められ、メラニン生成を抑制することから高い美白作用が期待できるという。

アルブチン、美白成分が注目

リンゴンベリーは日本名ではコケモモといわれ、山間部に自生している。最近は生食、ジュース、加工食品の原料としての使用も増え、フィンランド産のものが多く使われている。薬用効果も期待でき、利尿効果、尿路防腐にも使用されているという。

含有成分にはビタミンC、レスベラトール、リグナン、フラボノイドなどの抗酸化成分のほかに、最近美容成分として注目が集まるアントシアニン、アルブチンが豊富に含まれている。

とくにアルブチンはリンゴンベリーの葉の部分に豊富に含まれていることが判明し、美白成分がここ数年注目を浴びていることから、オリザ油化鰍ナも研究と開発を進めているという。

紫外線が皮膚にあたると活性酸素が発生し、色素細胞であるメラノサイトの働きが活性されるとチロシナーゼが生産されるが、アルブチンはチロセナーゼの活性を抑える効果、阻害効果が高いことが判明した。

さらにメラニンを皮膚の外へ追い出す力を持っていることもラットの実験でも判明、美白効果が期待できるのではないかとまとめた。


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