希少糖含有シロップ、体脂肪や糖尿病のリスクを減少〜第36回「健康博覧会」セミナー

2018年1月31日(水)〜2月2日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて第36回「健康博覧会」が開催された。同展示会セミナーより、 松谷化学工業鰍フ講演「希少糖含有シロップの新たな機能〜四国健康支援食品制度の活用」を取り上げる。


砂糖に代わる甘味として注目

松谷化学工業鰍ヘトクホ商品の35%、機能性表示商品の15%を占める「難消化性デキストリン」の原料メーカーとして知られる。

同社では「希少糖含有シロップ」として「レアシュガー」の製造販売にも力を入れている。

現在、「抗糖化」「低GI」のニーズが高まっており、砂糖に代わる甘味に注目が集まっているためだ。

すでにスーパーなどでも取り扱いが多くなっているが、希少糖含有シロップの「レアシュガー」はどのような特徴があるのか。

自然界に存在する単糖は7種類。その多くがブドウ糖(グルコース)で、他に、アラビノース、キシロース、フラクトース(果糖)、ラクトース、マンノース、リポース、がある。これらは細胞の構成成分やエネルギーになっている。

自然界に希少糖は50種類ほど

一方、希少糖は自然界に少なく、現在50種類ほどで、生物の進化の過程ではそれほど必要ではないと考えられてきた。

しかし昨今これらの希少糖にも人に役立つ生理機能があることが解明され注目されつつある。

例えば、良く知られるのがキシリトール。キシリトールには虫歯予防効果があり、トクホ商品の成分として認められている。

この希少糖は今から約27年前に、香川県で果糖を希少糖に変換させる微生物が発見されたことから注目されるようになる。

その後、香川県を中心に本格的な研究がスタートし、20年ほど前からは産官学連携による共同研究や商品開発が開始された。

2013年には松谷化学工業が香川県にレアシュガースウィートの生産工場を設立し、商品も全国だけでなく海外でも販売されるようになる。

ブドウ糖と果糖が原料

ちなみに希少糖の生産では、ブドウ糖と果糖を原料に、「異性化」という化学反応を起こすと、希少糖シロップが誕生する。

全体の12〜15%が希少糖、25%が水分、そして残りがブドウ糖と果糖という構造になる。

レアシュガースウィートに含まれる希少糖は主にD-プシコースとD-アロースの2つ。

D-プシコースはカロリーゼロ、甘さも砂糖の70%程度と非常にすっきりしており、甘みのキレも良い。

D-アロースは胎児の臍帯血にも含まれ「赤ちゃんの糖」ともいわれるほど体に優しく、カロリーゼロなのに砂糖によく似た甘さを持つ。

体脂肪や糖尿病のリスクが減少

実際に、レアシュガースウィートを継続摂取した場合と、砂糖を継続摂取した場合とでどのような違いがあるか、臨床試験も多数行われている。

例えば、希少糖含有シュロップを40g配合したゼリー飲料を1日1回摂取した場合、食事制限や運動を行うこともなく12週間で2%体脂肪が減少したことが分かった。

このゼリーの摂取をやめた後は体脂肪が元に戻ったことから、希少糖含有シロップの機能性だと考えられる、という。

また、血糖反応については、ブドウ糖を50g摂取した時の反応を100とすると、砂糖が64に対し、希少糖含有シロップは49と低GI反応を示したという。

砂糖やブドウ糖を摂取するよりもインスリンの放出を節約でき、肥満や糖尿病のリスクが減少する。

「どんな糖」を選ぶかが健康を維持する上で重要な鍵となるため、その選択肢の1つとして希少糖の活用が望まれるという。

エビデンスを認証マークでアピール

現在、この希少糖含有シロップ商品のレアシュガースウィートは「ヘルシー・フォー」の第1号商品としても注目されているという。

ヘルシー・フォーとは「四国健康支援食品制度」の愛称で、四国産業・技術振興センターが評価認定する、食品の安全性・機能性に関する「科学的根拠」を表示できる民間独自の食品表示制度のことである。

2017年の10月に第一回認証商品が4アイテム決まり、その第一号としてレアシュガースウィートが認められた。

トクホ商品や機能性表示食品のように効果効能を商品に明記することはできないが、学術研究は国レベルと同等で、エビデンスも十分にあることが認証マークでアピールできる。

地方オリジナルの認証制度は他にも北海道や新潟で始まっていて、今後も広がりが予測される。

より良いものを消費者に届ける、そして消費者が選べるように、レアシュガースウィートとともに制度も周知させていきたいと、今後の抱負を語った。


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