クマイザサ、多彩な乳酸菌の機能〜第37回健康博覧会セミナー

2019年1月23日(水)〜25日(金)、東京ビッグサイトにて「第37回 健康博覧会」が開催された。同展示会セミナーより、潟ニアルの講演「クマイザサ由来乳酸菌について」を取り上げる。


クマイザサに22種類の乳酸菌

クマザサは、日本の固有種であり、「ジャパニーズハーブ」ともいえる優れた原料資源である。そのクマザサには99種類もの品種が見つかっている。

中でも「クマイザサ」は食物繊維が豊富で、アミノ酸のバランスも優れ、独特の甘みを持つ青汁の新素材として注目されている。

ユニアル社では親子3代にわたりクマイザサの研究を行ってきた。50年に渡る研究の集大成として「クマイザサ由来乳酸菌」を開発し、本展示会にて初披露した。

クマイザサはさまざまな共生菌が付いた状態で自生しており、それがクマイザサの成長にも良い影響を与えているという。

その共生菌の中には乳酸菌が含まれるが、自然環境に恵まれた安全性の高い北海道・大雪山のそばに自生するクマイザサには、22種類もの乳酸菌が確認できたという。

「免疫誘導活性」が見られる乳酸菌

この22種類の乳酸菌をスクリーニングし、乳酸菌として培養活性が高いものを6株選び、さらにこの中から「免疫誘導活性」があるものを選抜したところ、2種類の「ロイコノストック属」の乳酸菌を突き止めることができた。

「免疫誘導活性」が見られるということは、NK細胞やT細胞の活性を促すIL-12誘導活性やIFN-γの誘導活性があるということで、免疫のバランスを整える効果が期待できる乳酸菌であるという。

特に、私たちが強い免疫を維持するには「Th-1」と「Th-2」のバランスが大切とされるが、ストレスフルな現代人はTh-2に傾きやすい傾向にあり、これがさまざまな免疫疾患罹患者の増加と関係あるとされている。

安全性が極めて高い乳酸菌

今回クマイザサから分離された2つの乳酸菌は免疫バランスを整える効果が高く期待できるという。

この2つのクマイザサ由来乳酸菌は、クマイザサの中でも特に根と花の部分に多く存在している。

ちなみに、ロイコノストック属乳酸菌は、漬物・ワイン・ザワークラウト・キムチといった発酵食品の中からもすでに多く発見されており、食経験が豊富で安全性も極めて高い。

「体重抑制」や「整腸作用」などの機能性も確認

また、ユニアル社では、この2つの乳酸菌を安定した原料にするために「ナノ化処理」をした。これにより溶液に分散しやすく、体内で腸のパイエル板に到達しやすい形態に加工した。

こうした処理により、免疫活性の誘導効果が上昇することも確認できた。マウス試験では「体重抑制効果」や「腸内細菌叢の変化」「整腸作用」などの機能性も確認された。

今後も試験を重ねデータを蓄積し、いろいろな臨床試験も行なう。もちろん安全性試験は実施されており、すでに安全性は担保されているという。

「国産の植物性乳酸菌」というのは、それだけでもストーリー性が高く、ニーズがある成分といえる。「青汁+乳酸菌」や「機能性表示食品への取り組み」など今後幅広い用途開発が期待できるとした。


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